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『狭間の世界』

作者:零那
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『0.36』



産み堕とされた瞬間から理不尽に翻弄され、愛情とは無縁の世界。
棘まみれ血まみれの運命を生きてくこととなった。

現在に至る迄どれだけ命の危機が在ったか。
自ら死を望むことも在った。
放っとけば死んでいた状況も在った。
心停止から生き返らされたことも在った。
殺されかけたことも在った。

ただ生きてくだけなのに、それがものすごく負担で、やめてしまいたくなる。
どんなことをされ、どんなことをしてきたのか、胸を張って言えることなど何もない。

愚かで醜く情けない姿を晒せば誰も居なくなる。
自分が他人なら関わりたくもない。
難し過ぎる人間は厄介だろう。

人間なんて、わざわざ厄介な方に転がろうなんて思わない。
所詮そんなもんだろう。
上手く仮面をつけてれば暴かれずに済む。
上手く表面だけで付き合えば暴かれずに済む。

そんな日々を虚しいと思うのは何を求めるせいなのか。
答えには気付かないフリをして蓋をしとくよ。
其れが上手く生きてくルール。


 
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