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八条学園騒動記

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第六百八話 大した問題ではないその十

「この五時間以上の上演でね」
「マウリアがどういった国かだね」
「少しだけかも知れないけれど」 
 映画を一作品だけ観ただけではわからないというのだ、シッドは一部だけを見て全てを知ったと思う人間ではないのだ。
「そう思ったよ」
「まあこれがマウリアの映画のスタイルってことはね」
「覚えておくことだね」
「うん、そうだと思うよ」
「観て楽しいを徹底的に追及しているんだね」
「そしてね」
 トムも話した。
「歌と踊りがあって」
「長くて」
「牛もね」
 まさにというのだ。
「キャストにあるんだ」
「そういうことだね」
「うん、しかし五時間以上観て」
 それでとだ、トムはふと思ってその思ったことを言葉に出した。
「一日が終わったってね」
「まだあるよ」
「僕これからクラスの劇の裏方だけれど」
「そっちへの力がなんだ」
「残っているかどうか」
 このことがというのだ。
「不安だよ」
「燃え尽きた?」
「そうかもね」
 弟に笑って話した。
「今回はね」
「そうなんだ」
「うん、かなり疲れたよ」
「五時間以上の上演だったしね」
「その間常に突っ込み入れてたし」
 このことで労力も使ってというのだ。
「それでね」
「まあそれはね」
 シッドは少し苦笑いになって話す兄に返した。
「仕方ないってことで」
「それでだね」
「やっていくしかね」
 その様にというのだ。
「ないだろうね」
「そうなんだね」
「それでね」
 シットはさらに話した。
「もうお昼だよ」
「ああ、六時から観てね」
 早朝上演であったのだ。
「それで終わったし」
「もうね」
「お昼でね」
「休み時間だね」
「そうなっているよ」
「食べる時間だから」
「何か食べれば」 
 そうすればというのだ。
「また元気が出て」
「舞台の仕事もだね」
「出来るよ」
「それじゃあ」
 それならとだ、トムも頷いた。そしてだった。
 話を変えてだ、こんなことを言った。
「お昼は何を食べようかな」
「カレー?」
 シッドはすぐにこの料理を出した。
「それかな」
「カレーって」
「駄目かな」
「いや、別に」
 トムは弟に答えた。 
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