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戦国異伝供書

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最終話 話が終わりその二

「だからこそ慎むことをです」
「言われますか」
「尚更」
「酒は程々でよいかと」
 ここで言ったのは長政だった。
「そちらは」
「浅井殿はそうしたお考えですか」
「はい」
 謙信にこう答えた。
「それがしは」
「まあそれが薬でありますな」
 信玄は笑って述べた。
「酒については、しかし」
「どうしてもですな」
「過ぎてしまうもの」
 信玄にしてもというのだ。
「それでよく二郎達に止められます」
「ははは、それがしもですぞ」
 元親も笑って言ってきた。
「酒を飲みはじめますと」
「ついついですな」
「過ぎてしまって」
 そうしてというのだ。
「弟達に言われます」
「止める様にと」
「そうなっています」
 常にというのだ。
「どうにも」
「いや、そう考えますと」
 ここで笑って言ったのは義久だった。
「酒は最初から」
「飲まぬことですな」
「それが一番ですな」
「ですな、しかし」
「酒の楽しみを知ってしまいますと」
「そうは出来ませぬな」
「これが」
 義久は元親に笑って述べた。
「どうにも」
「全くですな」
「それが酒の怖いところです」
「ははは、確かに」
「だからそれがしもいつも言われます」
「弟君のお歴々にですか」
「いや、我等はいつも四人で飲むので」
 島津家の四兄弟でというのだ。
「家臣達にです」
「言われますか」
「我等四人過ぎると」
「そうですか」
「何かと。まあ兎に角酒は」
「余程気をつけていないとですな」
「過ぎてしまいます」
 飲むそれがというのだ。
「どうしても」
「それがしにしても」
 羽柴も言った。
「酒は嫌いではなく」
「それで、ですな」
「はい、過ぎてしまって」
 元親に応えて話した。
「ねねに言われます」
「奥方に」
「飲み過ぎるからそうなると」
「あの方にですか」
「ねねは怒るとこれが怖くて」
 恋女房のことを笑って言うのだった。
「もう叱るわひっぱたくわで」
「大変なのですね」
「一旦怒りますと」
 これがというのだ。
「もう鬼の様です」
「ははは、それは大変ですな」
「全くです」
「いや、そうは言われても」
 顕如はその羽柴に笑って言ってきた。 
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