八条学園騒動記
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第六百七話 やっと終わったその七
「だからね」
「それでなんだ」
「そう、そしてね」
それでというのだ。
「今からあらためてね」
「アクションシーンがはじまるから」
「観ようね」
こう弟に言ってだった。
エイミーと三人で最後のクライマックスシーンを観た、するとだった。
ホームズと真犯人はお互いに召喚魔法を唱えた、これにはエイミーも自分が何を観ているのかわからないという目で言った。
「また急にファンタジー要素入れてきたわね」
「召喚魔法唱えたね」
「そんな設定この映画になかったわよね」
「なかったよ」
トムもはじめて観たことだった。
「今さっき出たね」
「真犯人はラーヴァナって出してきたわね」
「ラーマーヤナの悪役だね」
スリランカにいるラークシャサの王である。
「十の顔と二十の腕があるね」
「しかも巨大ね」
見れば全高百メートルはある、着ぐるみにCGまで合わせている。
「凄いわね」
「急に怪獣映画になったね」
「街を破壊してるし」
「そしてホームズさんもね」
「召喚魔法唱えて」
「もう何でもありで」
「それでね」
その展開でというのだ。
「ホームズさんはホームズさんで」
「カーリー女神召喚したね」
「まさかの神様自身降臨ね」
「召喚魔法だけれど」
「もうその辺りはいいかしら」
「みたいだね」
「しかもカーリー女神も巨大化したし」
こちらも高さは百メートルあった。
「やっぱり街を破壊しだしたね」
「建物の外に瞬間移動して」
それでだった。
「戦いだしたわね」
「そうだね、街を破壊しながら」
「あの、街を物凄く壊してるけれど」
シッドはその怪獣映画そのもののシーンを観て言った。
「これって推理ものだよね」
「そうだよ」
「それで何でこうなってるの?」
「だからマウリア映画だからね」
「娯楽に徹していて」
「それでね」
それが為にというのだ。
「こうしたこともね」
「あるんだ」
「もう一向にね」
それこそというのだ。
「構わないんだろうね」
「そうなんだ」
「だから娯楽だから」
これに徹しているからだというのだ。
「もうね」
「これもいいんだ」
「うん、ちなみに街はね」
「どんどん壊れていってるね」
「あの中で人がどうなってるか」
「ゴミみたいかな」
シッドは古典的な言葉を出した、見ればカーリー女神も十本の腕で敵に対して容赦ない攻撃を仕掛けていて普通に流れ弾が市街地にあたっている。
「まさに」
「そうだね」
「もう神々の戦いになると」
「人間はね」
「その場にいる方が悪い」
「そうなるね」
「酷いって言ったら酷いけれど」
今ラーヴァナの攻撃をカーリーがかわした、光線の様な矢が工場を一撃し瞬時に爆発四散させ炎が起こった。
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