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八条学園騒動記

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第六百七話 やっと終わったその五

「やっとだね」
「謎の解決に向かうね」
「捜査している感じなかったけれど」
「考えたりもね」
「それでもね」
「やっとだね」
 シッドは感慨を込めて言葉を出した。
「はじまるね」
「謎解きが」 
 二人はこれから本格的な推理がはじまるかと思っているかというとそうではなかった、これまでのことがあるからだ。
 それでだ、シッドは自分の兄にこう言った。
「それでどんな奇天烈な推理かな」
「それだよね」
「うん、果たして」
「何しろマウリアだからね」
「もうどんな超絶展開になるか」
「それがだね」
「問題だね」
 こう言うのだった。
「果たして」
「それじゃあ今からね」
「それを観ようね」
 ホームズとワトソンが容疑者達と関係者一同警官達まで集めての謎解きの話をはじめた、するとここでだった。
 場の雰囲気が変わった、エイミーはそれを観て言った。
「これはね」
「うん、見せ場だからね」
「歌と踊りね」
「それでやるんだね」
「謎解きを歌と踊りでやるなんて」
「それも皆でノリノリでね」
「流石マウリア映画ね」
 こう言うのだった。
「他の国の誰も発想すらしないわ」
「流石にね」
「本当にはじまったし」
 その歌と踊りがだ。
「それでホームズさんが謎解きをお話しだしたわね」
「踊りながらね」
 そのうえでだった、実際に。
「これは凄いね」
「警官の人達も関係者の人達も踊って」
「それも笑顔で」
「いや、こんな場面ね」
「マウリア映画ならではね」
「全くだよ」 
 そして部屋の中を観ると。
 マウリアの者達は踊っていた、トムはその人達も観て言った。
「普通に踊ってるね」
「クライマックスだからかな」
 シッドもそれを観て言う。
「これは」
「そうだよね」
「ここぞとばかりに踊るんだ」
「流石に歌わないけれど」
「いや、謎が次々にね」
 画面を観るとだった。
「語られてね」
「解決されているね」
「いや、歌って踊っても」
「謎解きって出来るんだ」
「僕はじめて知ったよこのことも」
「僕もだよ」
 観れば謎は実際に解かれていっていた、そして。
 最後の容疑者となった、ここで。
 ホームズも容疑者も歌い踊りながら会話をする、その間もバックダンサーである関係者や警官達は笑顔である。しかも服は一瞬単位で全員変わる。
 それを観てトムは言った。
「何か会話がね」
「入らないね」
 シッドが応えた。
「重要場面なのに」
「歌と踊りに目がいってね」
「気もね」
「それでね」 
 そのせいでというのだ。 
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