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ドリトル先生と不思議な蛸

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第七幕その二

「実際に」
「ニホンオオカミだってそうだったね」
 ジップは先生が見付けたこの生きもののお話をしました。
「いなくなってね」
「そうそう、日本で獣害が増えたんだよ」
 老馬はジップに応えました。
「畑を荒らしてね」
「雀を駆除したら雀が食べていた害虫が増えて」
 このお話はトートーがしました。
「かえって田んぼがとんでもないことになったね」
「雀ってお米食べるけれど害虫も食べるから」
 ガブガブも言います。
「いないと駄目なのよね」
「だから駆除よりもね」
「注意した方がいいんだよね」
 オシツオサレツはいつも通り二つの頭で言いました。
「生きものは」
「その場所にね」
「下手に生態系は乱さない方がいい」
 トートーははっきりと言いました。
「さもないともっと大変なことになるから」
「そのことを間違えたら駄目だから」
 ダブダブは先生の言いたいことを理解しています、他の皆と一緒で。
「先生も駆除は反対なんだね」
「先生はどんな生きものにもそうだね」
 最後にチーチーが言いました。
「駆除は駄目で」
「その場所の生態系は守るべきだよ」
 先生は皆に答えました。
「本当にね」
「そうだよね」
「何といってもね」
「まずは生態系を守る」
「駆除よりも注意」
「そうしないとね」
「どの生きものにも存在する理由があるんだよ」
 先生はとても理知的なお顔で言いました。
「だからね」
「それでだよね」
「その蛸についてもね」
「駆除はしない」
「いないに越したことはなくても」
「それでも」
「そう、僕はどんな生きものでも駆除は出来るだけね」 
 どうしてもという場合以外はというのです。
「よくないと思うよ。例えばブラックバスやブルーギルもね」
「問題になってるよね」
「日本全体でね」
「川や湖に増え過ぎて」
「生態系を乱しているね」
「駆除するのなら」
 そうして生態系を保つならというのです。
「食べることだよ」
「無駄に殺さずに」
「その方がいいのね」
「駆除するより」
「食べる方が」
「そう思うよ」
 先生としてはというのです。
「ただ単なる駆除なんてね」
「命を奪うだけで」
「それだけでだよね」
「悪いことだね」
「それだと」
「そう、そうするよりも」
 ただ単に駆除するよりもというのです。
「食べた方がね」
「ずっといいよね」
「やっぱりね」
「その方がいいね」
「遥かに」
「うん、あくまで毒がなくて」
 それでというのです。
「食べられたらだけれどね」
「毒があるお魚もいるしね」
「河豚とかね」
「そういったお魚は気をつけないといけないけれど」
「毒がないのなら」
「食べて」
 そうしてというのです。 
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