八条学園騒動記
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第六百六話 まだらの紐なのかその八
「というか歌って踊る007とか」
「新解釈だよね」
「新解釈過ぎて」
それでというのだ。
「理解が及ばないよ」
「そうだよね」
「この発想凄いよ」
「ホームズに出すだけでも凄いのに」
「さらにね」
それに加えてというのだ。
「歌って踊るとか」
「余計にね」
「どういった発想か」
「想像を絶するよ」
「そうだね」
「あれじゃないかしら」
エイミーがここで言った。
「同じイギリスだから」
「それだけでかな」
「一緒になっていて」
それでというのだ。
「共演しているのかしら」
「イギリスってだけでなんだ」
「だってマウリアって百年位の歴史の誤差平気なのよね」
「そうらしいね」
トムもそうだと返した。
「どうも」
「歴史とかで」
「お釈迦様の生年の誤差それ位あるから」
この時代でもこのことについては論争があるのだ。
「何でもね」
「それじゃあ同じ二十世紀の人ならね」
「いいんだ」
「ホームズさんもボンドさんもね」
「そうなんだ」
「同じイギリス人だから」
それでというのだ。
「よくてね、それでね」
「それで?」
「スパイものも推理ものだから」
大きく分類するとこのジャンルに入る。
「だからね」
「いいんだ」
「そうだと思うわ」
「作者さん違うけれど」
シッドはこのことを真顔で指摘した。
「いいのかな」
「同じイギリス人だったら」
エイミーは下の従弟にも答えた。
「だったらじゃないかしら」
「それも凄い理屈だね」
「だからマウリアだから」
もうこれで理由になっていた、少なくとも今の三人の間では。
「だからね」
「連合と違うから」
「著作権もとっくに切れてるし」
コナン=ドイルのそれもイワン=フレミングのそちらもというのだ、だからこの時代ではどの国でも彼等の作品は普通に存在している。
「それでね」
「いいんだ」
「著作権に問題ないなら」
それならというのだ。
「どう創作してもいいでしょ」
「それはね」
シッドも否定しなかった。
「共演させてもいいし」
「だからね」
「もう何の障害もないこともあって」
法的なそれもだ。
「それでなんだ」
「こうしてね」
「共演しているんだ」
「いきなり出て来たけれど」
007、彼がというのだ。
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