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おぢばにおかえり

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第六十三話 お家に帰ってその八

「僕としてはです」
「そういうことね」
「はい、それとです」
「それと?」
「反省しても遅いことってありますよね」
「それはそうだけれど」
 やっていいことと悪いことがあります、あまりにも相手の人を傷付けることは間違いなく悪いことになるでしょう。
「それでっていうのね」
「僕はあの人嫌いです」
「そうよね」
「神殿の、かんろだい後ろにして人を上から罵ったんですよね」
「西の礼拝堂に入る階段の上の方からって言われてたわね」
「それと校門でわざわざ何人かで待ち伏せまでして」
「聞こえる様に陰口言ったこともなのね」
 阿波野君が何を言いたいのかはわかっていました、それで阿波野君が言うよりも先に私から言いました。
「そのことも」
「言われた人が何したか知らないですよ」
「けれどその人が何をしてもなのね」
「その人一人でしたよね」
「お話を聞くとね」
 私の知っている限りではそうです、先輩がそうしたことをした人は完全に孤立していたみたいです。
「そうみたいね」
「一人に徒党組んでしかも待ち伏せまでしてって」
「残酷でないと出来ないっていうのね」
「聞こえない様に陰口言うのもどうかと思います」
 阿波野君にしてはです。
「けれど聞こえる様に言うとか」
「もっとって言うのね」
「僕だったら一生許さないですから」
「一生なのね」
「はい、もっと言えば何度出直しても」
「そうした悪い考えはいんねんになるわよ」
 阿波野君にこのことを注意しました。 
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