ドリトル先生と不思議な蛸
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第六幕その九
「今はこの船は役目を終えてね」
「ここで静かに停泊して」
「それで休んでいるのね」
「多くの人達を運び終えて」
「そのうえで」
「そうだよ、そしてこの海にいて」
鳥羽の海にというのです。
「皆を見守っているんだ」
「そう思うと凄いね」
「偉大なお仕事を終えて今は僕達を見守ってくれている」
「そうした船だって思うと」
「そうだね、じゃあこの船を見て」
そしてというのです。
「それからホテルに帰って」
「そしてだね」
「そのうえでよね」
「ホテルに戻って」
「また美味しいものを食べましょう」
「そして飲みましょう」
「是非ね」
笑顔でこう言ってでした。
先生は皆と一緒に船の中をさらに見て回ってでした。
それからホテルに戻ってまずはお風呂に入りましたが。
先生は湯舟の中でこんなことを言いました。
「日の出からずっと調査して歩いているとね」
「夕方からね」
「船にも乗って」
「そうしているとね」
「色々身体を動かしてるから」
「それでだね」
「お風呂が凄くいいよ」
入るととても気持ちいいというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
「一日のお仕事を終えてお風呂に入ると」
「本当にいいね」
「一日の疲れが取れて」
「それですっきりするね」
「そうだよね」
動物の皆も湯舟の中にいます、そこで言うのでした。
「身体を洗えて」
「そして湯舟で疲れを癒せて」
「お風呂って本当にいいよね」
「一日の疲れが取れるわ」
「全くだね、毎日入ってもね」
そうしてもというのです。
「僕はいいね」
「そうだね、あとイギリスだと泡は拭いて終わりだけれど」
「泡はシャワーで洗い落とさずに」
「そうするけれど」
「日本は洗い落とすね」
「絶対に」
「こんなお話があるんだ」
ここで先生はこんなお話をしました。
「長嶋さんいるね」
「ああ、長嶋茂雄さん」
「野球選手だったね」
「監督でもあったね」
「あの人だね」
「あの人間違えてシャンプーを一本全部使って」
頭を洗う時にというのです。
「それで何度洗い落としても残ったんだ」
「シャンプー一本だとね」
「あの人らしいミスかしら」
「あの人色々なお話があるけれど」
「もう何かと」
「それでそうしたこともしたんだ」
「そう、そしてもう幾ら洗い落としても洗い落とせなくて」
シャンプーの泡がです。
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