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『狭間の世界』

作者:零那
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『バイバイ』



ねぇ「バイバイ」って言ったよね。「明日もね」って言ったよね。もう君は此の世に存在しないなんて嘘だよね。

バイバイ、バイバイ、バイバイ、バイバイ、バイバイ...そんな別れ際の言葉さえ呪いたい。

みんなで手ぇ振り合って、笑顔で「また明日も会えるように」って願いを込めて言ってる言葉。

僕はみんなと違って「当たり前に明日も会える」わけじゃないから。特別な願いを込めて言ってる言葉。

「バイバイ」と「明日もね」が二度と交わせないなんて。

僕の妙な劣等感や無駄なプライド、異常な弱さだったり、逆に冷酷過ぎたり。
止まらない殺意、そして支離滅裂で錯乱状態だったり。

普通なら関わりたくないレベルの僕の総てを、優しく肯定してくれた君。

唯一無二の君がいないなんて僕も死んだと同じ。

ねぇ「バイバイ」って其の「バイバイ」じゃないよ。早く戻って来て。
「バイバイ」に「バイバイ」してよ。

こんな悪い冗談、勿論夢の中でしょ?


 
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