海辺のレストランで
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第二章
「だからな」
「それじゃあね」
「こいつは家族にしような」
「そうしましょう」
「そうと決まれば名前だ、お前の名前だけどな」
家で飼うことが決まった猫を一旦床の上に置いてから告げた。
「見れば雄だったしな」
「その子雄なの」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「魚取ろうとした、それで海に縁を感じたからな」
「どういった名前にするの?」
「トリトンでどうだ」
こう妻に言った。
「海野神様な」
「それはいいわね」
トリトンと聞いてだ、妻も頷いた。
「恰好いい名前よ」
「そうだな、それじゃあな」
「この子はこれからトリトンね」
「お前もこの名前でいいか」
アンゴルはトリトンと名付けた猫に顔を近付けて問うた。
「トリトンで」
「ニャア」
猫はこう鳴いて応えた、夫婦はそれを肯定の返事と受け取った。こうしてこの猫はアンゴル達の家族の一員となったが。
いつも魚をたらふく食べてそうして気持ちよさそうに寝た、アンゴルはそんな彼を見て妻に笑顔で話した。
「骨を取ろうとしていた奴がな」
「今は骨は食べないわね」
「身を奇麗に食べるな」
「そうなったわね」
「もうたらふく食ってな」
その魚の肉をというのだ。
「それでよく寝てな」
「どんどん太ってきてるわね」
「そうだな、最初に拾った時とは違ってな」
「別人いえ別猫みたいね」
「そうなったな、しかしその姿を見てるとな」
「自然と笑顔になるし」
「だからこれからもな」
妻に笑顔で話した。
「一緒だ」
「ええ、そうしていきましょう」
「家族としてな」
トリトンを見ながら話した、するとだった。
トリトンは自分の食事である魚が置かれている皿のところに行った、そしてそこにある新鮮な魚を食べはじめた、その彼を見てアンゴルは妻と共に笑顔になった。それと共にレストランで彼と出会えてよかったと心から思った。
海辺のレストランで 完
2021・3・17
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