おぢばにおかえり
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第六十三話 お家に帰ってその二
「もうね」
「そうですか、じゃあ今決めますね」
「早いわね」
「早いというか選択肢他にないですから」
ここでも私の方を見ます、本当に私と一緒にいるといつもこうして私の方を見てくるのがどうしてかと気になります。
「僕の場合は」
「他にないの」
「僕の将来は一つですからね」
それこそという言葉でした。
「それこそ」
「その一つが気になるけれど」
それも凄くです。
「一体何?」
「それはおいおいということで」
「今は言わないのね」
「言える時が来たら」
その時にという返事でした。
「お話させてもらいます」
「本当に思わせぶりね」
「あえてそう言ってます」
「全く、けれどここはいい町でしょ」
「はい、凄く」
「だから住んでくれるなら」
私としてもです。
「大歓迎よ」
「先輩としてもですね」
「それでおみちも信心してくれるのよね」
「もうそれは絶対に」
「余計に嬉しいわ、いさんでいってね」
「そうさせてもらいますね」
「そうしてくれたら私も言うことなしだし」
それこそ何もです。
「その癖性分さえ何とかしてくれたらね」
「お調子者でいい加減なところですか」
「図々しいね」
この癖性分も加えました。
「そこも気をつけてね」
「そうしてですか」
「いさんでいってね、ただね」
ここで阿波野君について私が心から不思議に思うことがありました、それで私は阿波野君に対して言いました。
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