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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十八話 孫策、賭けを考えるのことその四

「無理があります」
「できぬか、それは」
「確かに山賊は賊ですから」
 ここに厳顔の主張が難しいという根拠があった。
「その処罰はです」
「当然だというのじゃな」
「確かに京観はやり過ぎです」
 このことは徐庶も認めた。その通りだとだ。
「しかしそれでもです」
「それと咎としてじゃな」
「処刑するのは無理です」
「左様か。強引か」
「そう思います」
「しかし降格とかはできないか?」
 ロックがこう尋ねた。
「更迭っていうのか?このことからな」
「それもです」
「難しいか」
「とにかく。功を挙げたのは事実です」
「だからか」
「はい、功を挙げて更迭というのも」
 それも難しいというのだった。
「今回のことはあくまでやり過ぎ。それで済ませてしまうことも」
「できるからかよ」
「正直手がありません」
 徐庶も項垂れて言うことだった。
「私もあの方は危険だと思っていますが」
「ではこのことはわし等ではどうすることもできんな」
 厳顔は唇を噛み締めて述べた。
「見ているだけしかな」
「残念ですが」
「暗殺などするのものう」
 厳顔はこのことについては自分で言った。
「よくはない」
「そうね。そんなことしても」
「何にもならないな」
 このことは馬岱と魏延も同じだった。二人も暗殺は好きではないのだ。
「御世辞にもいいやり方じゃないからね」
「止めておくべきだな」
「左様じゃ。それはせぬに限る」
 厳顔は暗殺については完全に否定だった。
「しかしあの女は何とかせねばいかんが」
「そうです。ですが」
 さらに問題があるとだ。徐庶は述べた。
「今回の功で、です」
「まだ何かあるのか」
「はい。あの方の妹さん達のことです」
 こうロックに返して話すのだった。
「あの方々もです」
「そうじゃ。あの者達も功を挙げたことになる」
 厳顔もこのことに気付いた。
「ではじゃ」
「高官に任じられます」
「そうじゃな。姉に続いてな」
「司馬家の権勢も強くなります」
「かえってじゃな。困ったことじゃな」
「はい、司馬家は只でさえ名門ですし」
 その権勢は尋常なものではないというのだ。
「それで妹さん達も高官になられると」
「あの二人もよね」
「殺戮を楽しんでいたな」
 馬岱と魏延は今度はこのことを話した。
「じゃあやっぱり」
「あの二人までとなると」
「司馬尉さんだけでも問題ですから」
 だからだというのだ。
「それに加えて妹さん達までとなると」
「ううん、どうしたものかしら」
 劉備も困った顔になり腕を組んで言う。
「困ったわね」
「それにな。一つ気付いたんだけれどな」
 またロックがここで話した。
「今あの司馬尉は三公だよな」
「うん、そうよ」
 その通りだと答える劉備だった。
「司空よ」
「それより上を目指すんじゃないのか?」
 野心があるのではないかというのだ。
 
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