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ドリトル先生と不思議な蛸

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第四幕その十二

「いいね」
「そうだよね」
「お団子も羊羹もいいし」
「それに赤福もあって」
「最高のティーセットだね」
「和風のね」
「そういえばこの辺りも織田信長さんが領地にしたけれど」
 先生はここでこの人の名前を出しました。
「この人もお茶が好きだったからね」
「茶道を広めることにも貢献したね」
「天下統一を大きく進めたし」
「そのお茶はお抹茶だったんだよね」
「そうだったわね」
「そうだよ」 
 まさにというのです。
「そしてあの人も伊勢にお参りしているよ」
「神仏を全く信じないって言われていたけれど」
「先生いつも言ってるね」
「実はあの人なりに信仰心があって」
「神仏を信じていたって」
「そうだったって」
「うん、だから安土城もね」
 このお城もというのです、信長さんが築いたこのお城も。
「様々な宗教が共にあったんだ」
「若し神仏を信じないならね」
「それならだね」
「安土城もそうなっていないね」
「色々な宗教がなかった」
「そうだね」
「そうだったよ」 
 こう皆にお話しました。
「このことは前にも話したかも知れないけれど」
「そういえばそうかな」
「織田信長さんのこともね」
「あの人も色々なことに関わってるからね」
「日本の歴史の有名人だし」
「先生も色々お話しているね」
「それでお話したかも知れないけれど」 
 織田信長さんについてです。
「あの人なりの信仰があったんだ、安土城の石垣の墓石やお地蔵さんは結界だったし」
「ああ、その霊力を使ったんだ」
「墓石やお地蔵さんの像にある」
「それで石垣に使って」
「お城の結界にしていたんだ」
「只の石と思わずにね」
 そこに霊的な力があると信じてというのです。
「そうだったみたいだしね」
「そういえば実はお寺も焼いていなくてね」
「家臣の人にも寛大で」
「確かに悪人には容赦しなかったけれど」
「善政を敷いていて」
「民には慕われていたね」
「そうだったからね」
 信長さんという人はです。
「暴君でもなかったよ」
「そんなイメージあるけれどね」
「残酷で冷酷で」
「そんな人だったけれど」
「実はだね」
「そうだったみたいだよ、あとお酒はね」 
 こちらはといいますと。
「本当に下戸でね」
「飲まなくて」
「それでだったんだ」
「お茶が好きだった」
「そうだったんだ」
「それで甘いものが好きだったからね」
 そうだったというのです。
「実際の信長さんは物語と違ってね」
「伊勢神宮にも参拝していて」
「あの人なりの信仰があった」
「それでその信長さんも行ったところにだね」
「一緒に行くんだね」
「そうしようね」
 休日にはとです、こうお話してでした。
 先生は皆と一緒に今度は伊勢神宮に行くことにしました、鳥羽での調査の合間にそうしたこともするのでした。 
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