八条学園騒動記
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第六百四話 マウリアの推理その六
「歌と踊りもで」
「そこで何かあるのかしら」
「そうなのかな」
従姉に首を傾げさせながら話した。
「それでかな」
「どうなのかしらね」
「今からそれをね」
「観るけれど」
「これは僕もわからないよ」
「これもマウリアかしら」
「そういうことかな」
こうした話をしてだった。
三人は映画を観はじめた、すると。
いきなり漆黒の肌の女神の像が出て来た、腕は十本あり牙が生えていて生首を持っていて様々な武器を持っている。
その女神の像を見てトムは言った。
「カーリーだね」
「邪神に見えるよ」
「いや、それがなんだ」
こう弟に話した。
「いい女神様なんだ」
「これでなんだ」
「うん、だって悪をやっつけるから」
だからだというのだ。
「いい神様なんだ」
「僕には邪神にしか見えないけれど」
「外見はだよね」
「それに殺し尽くすんだよね」
「そして壊し尽くすんだ」
敵は容赦なくというのだ。
「そして生き血さえね」
「飲み干すんだよね」
「血が地面に滴り落ちたらそこからまた敵が出てくるからね」
「その設定も凄いけれど」
血が地に落ちれば新たな敵が出るというそれもというのだ。
「飲み干すのもね、あと生首持ってるのもね」
「邪神にしか見えないんだね」
「それもかなり凶悪なね」
「まあ僕もね」
かく言うトムもだった。
「話を聞くまではね」
「邪神にしか見えないんだね」
「そうなんだよね」
これがというのだ。
「実は」
「やっぱりそうだよね」
「けれどあくまで悪を倒して」
このことは全くぶれないで、というのだ。
「それで人間は守るから」
「いい神様なんだ」
「そうなんだ、それでやり過ぎて止められてね」
殺し過ぎて壊し過ぎてさらに暴れてというのだ。
「てへっ、と舌を出すね」
「お茶目なところもあるんだ」
「しかも踊ることが大好きな」
「愛嬌もある女神様なんだね」
「だからマウリアでは人気があるんだ」
よい女神としてだ。
「かなりね」
「それで主人公もだね」
「崇拝しているんだろうね」
「あれが主人公だね」
シッドは画面にいる頭に白いターバンを巻いて口髭を生やしてきらきらとした目の青年を見て言った。
「そうだね」
「ええと、シャーロック=ホームズって言ってるけれど」
「ホームズ?」
「みたいだね」
「ホームズに見えないけれど」
シッドはそのターバンの男を見つつ言った。
「全然」
「頭にターバン巻いてるしね」
「服もマウリアのだよ」
つまりホームズの恰好ではないというのだ。
「何処がホームズなのかな」
「ほら、パイプ持ってるじゃない」
見れば右手にある。
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