夢幻水滸伝
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第百九十話 南の諸島においてその十二
そして船の船長も言った。
「まさかタヒチに星の方が出られるとはです」
「思わんかったか」
「はい」
そうだとだ、船長は答えた。ゴブリンの初老の男だ。
「ここは小さい島ですからね」
「小さいけどええ島やろ」
「ええ、海は奇麗で過ごしやすくてしかも女の子は可愛い」
船長は笑って答えた。
「食べものも美味いですし」
「それで拙者はこの国の生まれでな」
「星の方としてこの世界に来られた」
「まさかやなくてな」
「必然ですか」
「そうやと思う、ではな」
「これからですね」
「海に出て」
そしてとだ、バイテは船長に話した。
「モンスター退治しよか」
「はい、それでは」
「モンスターは任せてくれ」
バイテは船長に強い声でこうも話した。
「出て来たのをな」
「倒していきますか」
「片っ端からな、モンスターも多過ぎたらな」
「それで実際に困っています」
「漁にも出られんからな」
「そうなっていて」
実際にというのだ。
「まことに」
「そやな、そやからな」
「これからですか」
「海に出て」
「モンスター退治にですか」
「かかるわ」
こう言うのだった。
「これからな」
「それでは」
「星の者はこの世界を救うのが仕事という」
バイテは腕を組んで呟く様に言った、周りの海は澄んでいてマリンブルーと銀の世界を見せている。だが。
そこに多くのモンスターがいる、そのことを聞いているからこそ今こう言うのだった。
「それはモンスター退治でもや」
「同じですか」
「そや、モンスターは多いと民が困る」
「襲われますし漁にも出られず」
「そうしたことになる、民を救うのも世界を救うことや」
「そうなりますか」
「そや、民もこの世界におるんや」
だからだとだ、バイテは船長に話した。
「必然的にそうなる」
「だからですか」
「今は民を救う」
そうするというのだ。
「これからな」
「では海に出ますか」
「頼むな」
船長に言ってだった。
モンスター退治で船を出してもらった、すると。
すぐに多くのモンスター達が出て来た、鮫や鰐もだ。バイテはその彼等を圧倒的な強さで薙ぎ倒していった。
術を使うだけでなくだ、神具であるフェニックスの尾も使った。その神具は炎の鞭となりモンスター達を一撃で倒すが。
船乗りはその神具を見て驚きの声で言った。
「いや、凄いですね」
「これ位のモンスターや獣やとな」
バイテは大蛸を倒した後で船乗りに話した。
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