八条学園騒動記
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第六百三話 途中のカレーその九
「このカレーだけれど辛さはね」
「一気にくるね」
「それで一気に引くわね」
「そうだね」
「マスタードみたいな感じね」
「確かに」
トムはエミリーのその言葉に頷いた。
「そうした身体だね」
「唐辛子や胡椒の辛さではないね」
「これはね」
「それで辛いけれど」
エミリーは食べつつさらに話した。
「甘みもね」
「あるね」
「これは林檎かな」
シッドはカレーの甘みについてこう言った。
「それかな」
「それかな」
「うん、林檎の甘さでね」
それでというのだ。
「辛さの中にも甘さがあって」
「美味しいね」
「余計にね」
三人で水牛のカレーを食べながら話した、そしてカレーを食べ終わると食器やスプーンはお店の横のボックスに入れた。
ここでだ、エミリーはこんなことを言った。
「食器は何処でもね」
「再利用だよね」
「連合ならではよね」
「そうだよね」
トムも同意して頷いた。
「そこは」
「本当にね、ただね」
「ただ?」
「リサイクルってマウリアにもあるのかしら」
「それはどうだろうね」
トムはこのことについては首を傾げさせた。
「果たして」
「わからないよね」
「ちょっとね」
これはというのだ。
「本当にね」
「そうだよね」
「そのことは」
「どうもね」
「ちゃんとしてますよ」
ここで店の人が他の客にカレーを出しながら言ってきた。
「そのことは」
「そうなんですか」
「はい、そうしたことはです」
しっかりと、というのだ。
「やっています」
「マウリアでもですね」
「全ては神々の恵みですから」
ヒンズーのというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい、あらゆるものは無駄に出来ないので」
それでというのだ。
「ですから」
「そうしたことはしっかりしていますか」
「はい」
そうだというのだ。
「この連合でも」
「そうなんですね」
「何でも再利用して」
そしてというのだ。
「最後の最後まで、です」
「使うんですね」
「そうしていっています、ただ」
「ただ?」
「一つ思うことは」
それはとだ、店の人はトムに話した。
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