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おぢばにおかえり

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第六十二話 二人乗りその三十三

「やっぱりね」
「ええ、そうしておいてね」
「本当に世の中悪人もいるから」
「どんな悪いことしても平気な人いるから」
「そうよね、悪人もね」 
 とても残念なことにです。
「世の中にはいるから」
「悪人も改心するけれどね」
「何があってもしない人っているわね」
「もうどうしようもないのがね」
「うちの学校でもいたしね」
「あんまりにも性格悪くて学校にいられなくなってね」
 中学校の時の後輩でそんな子がいたみたいです、底意地が悪くて図々しくて弱い者いじめが大好きな男の子で皆から嫌われていたそうです。
「今違う高校だけれどね」
「あの子は絶対に更正しないでしょうね」
「女の子からも嫌われていたし」
 その子は男の子でしたけれどとにかく評判が悪いです、弱い相手はいじめるのに強い相手には諂うし、でしたので。
「絶対将来も碌な人間にならないわね」
「チンピラになってるわね」
「日頃の行いも悪いらしいし」
「ちっちのお家でも更正は無理ね」
「そうも言えないと思いたいけれど」
 流石に聞く限り私では無理だと思います、それで自信のない返事でした。
「それでもね」
「ああした子はね」
「もうどうしようもないわよ」
「誰からも嫌われて憎まれてるし」
「とにかく性格悪いから」
 皆その子のことを知っていて言います。 
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