二匹で寄り添って支え合って

　　　　　　　　　　　　　　　　二匹で寄り添って支え合って
　テキサス州のあるシェルターに二匹の長い毛のシェパードがいた。
　両方共雄で名前をアドニスとアポロという、アポロの方がやや大きく年上である。
　二匹の犬達はシェルターの中でずっと一緒だった、飼われていたが捨てられて今はここにいるのだ。
「あの二匹いつも一緒だけれど」
「何時殺処分されるかわからない場所にいるから不安そうですね」
「実際ここでは殺処分もあるし」
「凄く不安なんでしょうね」
「それで怖くて」
「いつも二匹で一緒にいて寄り添い合って」
　見れば二匹はそうし合っていた。
「前の飼い主の家でもそうだったらしいけれど」
「虐待を受け奈がr真央支え合って」
「そうしていたらしいけれど」
「ここでもか」
「ずっとああしていて」
　二匹でいつも一緒にいて寄り添い合ってというのだ。
「助け合っているんだな」
「不安で怖い中で」
「何時殺処分されるかわからないけれど」
「そうしているんだな」
「悲しいですね」
「何とか里親が見付かって欲しいけれど」
「探しているけれど」
　それが中々見付からなかった、だが神はこの二匹を見捨てていなかった。
　ある動物愛護団体の創始者であるシンディ＝リー黒髪で痩せた女性である彼女がこのシェルターを訪問した時に二匹を見てシェルターのスタッフに言った。
「この子達ですが」
「はい、いつもなんです」
「いつも二匹ああして寄り添っています」
「不安と恐怖の中で」
「お互いを支え合って生きているんです」
「そうなんですね、他の子達もですが」
　シンディはスタッフ達の話を聞いて言った。
「そうした事情があるならこちらでも里親を募集させて下さい」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「あの子達を助けてくれますか」
「心ある家族を探してくれますか」
「二匹で必死に助け合っているんですから」
　だからだというのだ。