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ドリトル先生と不思議な蛸

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第二幕その三

「どうしようかってなって」
「蛸をどうして捕まえるかってことから頭を抱えるのに」
「日本人は蛸壺を海に入れて終わり」 
 老馬は言いました。
「蛸を片っ端からそれで捕まえて蛸を食べる」
「勿論貝も食べる」
「そっちもね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「そして楽しむ」
「それが日本人だからね」
「うん、そのことは凄いけれど」
 それでもと言う先生でした。
「怖い蛸もいる」
「ただ食べるだけじゃない」
「そのことは覚えないとね」
「日本人にしても」
「そこはね」
「命に関わる場合もあるしね」
 それだけにというのです。
「気を付けないとね」
「そうだよね」
「蛸も怖かったりする」
「そして学問も気を付ける時がある」
「そうだね」
「その通りだよ、しかしね」
 こうも言った先生でした。
「鳥羽に行くこと自体は楽しみだね」
「そうだね」
「じゃあ僕達と一緒にね」
「鳥羽に行きましょう」
「夏休みに入ったら」
「もうすぐに」
「是非ね」
 先生は笑顔で言いました、そうしたお話をしてです。
 麦茶を飲みました、そしてまた言うのでした。
「夏のこの麦茶がね」
「最高だよね」
 王子も飲みながら言います。
「何といっても」
「日本にいるとね」
「よく冷えた麦茶を飲んでね」
「そして西瓜を食べたりね」
「よく冷えた果物とか」
 そうしたというのです。
「水饅頭や水羊羹をね」
「食べるんだね」
「きなこ餅もいいね」
「ああ、あれも美味しいね」
「だからね」
 それでというのです。
「こうしてね」
「麦茶を飲んで」
「お菓子もね」
 これもというのです。
「楽しもうね」
「はい、お菓子があります」
 トミーがここで言ってきました。
「水羊羹が」
「ああ、それがなんだ」
「お抹があります」
「いいね、普通の羊羹もいいけれど」
 先生はトミーに笑顔で応えました。
「水羊羹もね」
「美味しいですよね」
「うん、あの甘さはね」 
 本当にというのです。
「よく冷えていてかつ優しい」
「そうした甘さですね」
「水羊羹の甘さはね」
「それがいいんですよね」
「凄くね、ではね」
「今からですね」
「水羊羹もいただこう」
 麦茶と一緒にです。 
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