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八条学園騒動記

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第六百二話 梅干しの魔力その一

                梅干しの魔力
 トムはテンボとジャッキーそれにマーフィに話した。
「梅干しは日本の代表的なお漬けものでね」
「それだけ食べるだけじゃないのよね」
 ジャッキーが応えた。
「これが」
「色々なお料理にも使うね」
「調味料としてね」
「そうした食べものでね」
「これまた和食では外せないわね」
「うん、それで食べると」
 その梅干しをというのだ。
「食欲が出てね」
「酸っぱいからね」
「その種も舐めて」 
「舐めてもなの」
「唾液が出てね」 
 そうなってというのだ。
「それでなんだ」
「余計に食欲が出て」
「それでね」
「食べられるのね」
「味も食欲をそそらせてくれるけれど」
 それだけでなくというのだ。
「種もね、そしてその果肉自体もね」
「食欲をそそらせてくれるのね」
「そんな食べものなんだ」
「だから元気のない時に食べるといいのね」
「日本でそう言ってるんだ」
「そういうことね」
「だからね」 
 それ故にとだ、トムはさらに話した。
「僕達もね」
「食べるといいのね」
「朝でもね」
「そういうことね」
「そう、そしてね」 
「そして?」
「日の丸弁当だとね」
「ご飯の真ん中に梅干しがあるな」
 テンボが応えた。
「白いご飯の中にな」
「赤い梅干しだね」
「今は青も黄色も何でもあるがな」 
 白や黒の梅干しもある、紫蘇の関係でそうした色のものもあるのだ。この辺りは実に色々となっている。
「やはり梅干しはな」
「基本赤でね」
「赤い梅干しが太陽か」
「そう、日本の旗のね」
「それで日章旗だな」
「その梅干しをおかずにして」
 そしてというのだ。
「白いご飯を食べるお弁当だけれど」
「それは知ってるけれど」 
 ジャッキーは青菜の漬けものを食べつつトムに言った。
「具体的にそれがね」
「どうしたっていうんだね」
「ええ、一体ね」
「これが歴史的なお弁当なんだ」
「そうだったの」
「乃木大将が考えたね」
「あの日本軍の将軍ね」
 ジャッキーもこのことは知っていた。
「日清戦争と日露戦争で活躍した」
「部下を最高に奮い立たせて戦わせられる人だったよ」
「それ凄い能力じゃないの?」 
 軍人としてだ、ジャッキーはふと思って言った。
「ひょっとして」
「うん、それでね」
「その能力でなのね」
「大活躍したけれど」
 それがというのだ。 
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