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おぢばにおかえり

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第六十二話 二人乗りその二十八

「いいから」
「だからですか」
「そう、その癖性分をね」
「なおすべきですね」
「いさんでそうしていってね」
「そうしていきますね」
「それをお願いするわ」
 またこうしたことを言いました。
「私としてはね」
「何か切実ですね」
「切実じゃないけれど」
 このことは断りました、ですがそれでもです。
「阿波野君もおみちの人だし」
「それで、ですか」
「言ってるの。というか人はね」
「人は、ですか」
「出来る限り沢山の人をお助けする」
 そうしないと駄目だと思うからです。
「それでよ」
「僕に何度もですか」
「お話してね」
 そうしてなのです。
「癖性分をなおして欲しいのよ」
「そういうことですか」
「そうよ、それとね」
「それと?」
「阿波野君神戸好き?」
 この街のことを尋ねました。
「それで」
「ポートピアとか水族館とか好きですよ」
「水族館って須磨の」
「あそこ好きです」
「いいところ好きね、あそこはね」
 須磨の水族館と聞いてです、私は表情をぱっと明るくさせて阿波野君にお話しました。
「私子供の頃から何度も行ってるけれど」
「いい場所ですよね」
「あそこは海だけじゃなくて川や湖の生きものも多いし」
「アマゾンとか」
「そういう生きものが多いから」
 それでというのです。 
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