麗しのヴァンパイア
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百十七話
第三百十七話 ロボットが煎れたお茶
やがてロボット、確かに外見は千利休そっくりのそのロボットがお茶を持ってやって来た、小田切君はそのロボットを見て博士に尋ねた。
「博士って千利休とは」
「うむ、死闘を演じたこともある」
「ってこの人茶人ですよね」
「しかし大柄で力も強くな」
「そうだったんですか?」
「このことは小説だが書かれておるぞ」
博士は平然として返した。
「秀吉と利休にな」
「ああ、野上弥生子の」
「左様、実は大柄でな」
「力が強かったんですか」
「それで太閤さんと渡り合いながらな」
そうしつつというのだ。
「利休さんともじゃ」
「そうだったんですか」
「勿論信長さんともな」
「その頃から色々やってたんですね」
「これが存外強くてな」
「利休さんも」
「一番強かったのは信長さんじゃがな」
それでもというのだ。
「利休さんもじゃった」
「そうでしたか」
「それで利休さんの姿を再現したのがじゃ」
「このロボットなんですね」
「他には紅茶もコーヒーも煎れられる」
「優れものなんですね」
「あと茶道の知識や茶器を見る目も備えておる」
そうした能力もあるというのだ。
「そして体内には原子爆弾があり口からはビームを吐き両手の指はマシンガンで目からは怪光線を放つ」
「原爆以降の能力いります?」
「ロボットなら必要であろう」
「いらないでしょ」
小田切君は即座にこう返した。
「普通は」
「わしの趣味は殺人じゃ」
犯罪者やならず者専門である。
「だからよいのじゃ」
「他には破壊活動と危険な兵器の開発もですね」
「その全てを満たすロボットじゃ」
「そっちは趣味ですか」
「何ならその辺りの不良を殺しに行かせるぞ」
博士はこうも言った。
「二十人程な」
「そうですか、ですが今は」
「こうしてお茶を煎れてくれた」
そうしてくれたとだ、博士は小田切君にロボットを見つつ話した。そうしてそのうえでそのお茶を飲むのだった。
第三百十七話 完
2020・11・19
ページ上へ戻る