八条学園騒動記
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第五百九十八話 能力と人気その八
「そうした政治家はね」
「存在だけで国の害だな」
「まさにね、本当にこんな手合いは」
それこそというのだ。
「どんどん落選させていかないと」
「駄目だな」
「僕達に参政権が入ったら」
「あと一年だな」
連合では国ごとに多少違うが大体十八歳で参政権ここで言うのは投票権が与えられる。言うまでもなく男女共だ。
「それでな」
「投票出来るから」
「投票しないと罰金だしな」
「連合だとね」
これは投票率の低下を防ぐ為だ。
「だからね」
「行かないとな」
「投票しないとそれがかえってね」
「おかしな奴に票が入ってな」
今話している様な輩にというのだ。
「徹からな」
「そうした人って変に注目されてね」
「かえって票が増えるな」
「政治家って結局人気商売だから」
その一面があるというのだ。
「それでね」
「注目されるとな」
「もうそれでね」
「票が入るな」
「この場合に相応しい言葉があるよ」
菅は肴の干し肉を食べつつ話した、飲んでも表情は全く変わっておらず顔の色も白いままである。酔っている気配がしない。
「悪名は無名に勝る」
「それか」
「だから発言がどれもぶっ飛んでいて」
そうしてというのだ。
「どう見てもおかしいって人もね」
「当選したりするか」
「やっぱり注目されないと」
政治家はというのだ。
「どうしようもないから」
「そこで悪名は、となるか」
「そう、無名よりもね」
「本当に政治家は人気商売なんだな」
「人気があるから」
それ故にというのだ。
「票も入るんだよ」
「中身がなくてもか」
「注目されるとね」
それでというのだ。
「そうなるんだよ」
「だから落選させる為にはな」
「対立候補に票を入れて」
「そいつには投票しない」
「それでいくべきだよ」
「それが一番だな」
「政治家は当選しないと」
選挙、それにだ。
「政治家じゃないから」
「それもシビアだな」
「政治家の世界ってそうだよ」
「過酷な人気商売なんだな」
「そうだね」
「民主政治も大変だな」
「政治家にとってもね」
選ばれる彼等にとってもというのだ。
「そうだよ、けれどそこでね」
「変な奴も落選して」
「政治の場に出ないから」
「選挙には行かないとな」
「そうなるね、まあね」
菅はさらに言った。
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