戦国異伝供書
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第百二十一話 耳川の戦いその七
「高城の守りをな」
「固めておきますな」
「その様にしますな」
「これから」
「その様にしてな」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「敵を引き付けて」
「敢えて攻めさせる」
「そうしますか」
「あの城が陥ちねば」
それならというのだ。
「よい」
「我等にとっては」
「そうすれば敵を策に嵌められる」
「だからですな」
「それでよい、そしてな」
それでというのだ。
「我等はな」
「まずは高城ですな」
「あの城を堅固にする」
「今以上に」
「あの城は険しい山の上にあるし」
このこともあり、というのだ。
「それでじゃ」
「さらに守りを固めれば」
「四万の大軍が来てもですな」
「そうは陥ちませぬな」
「そうなる、だからな」
それでというのだ。
「まずはあの城をじゃ」
「改築、修繕をし」
「より堅固にし」
「守りますな」
「そうする、また鉄砲を入れ」
今以上にというのだ。
「そして弓矢や槍もな」
「多く入れる」
「今より増やす」
「より戦える様にしますか」
「そうして高城の兵が敵を防いでいる間に」
その間にというのだ。
「我等はな」
「はい、出陣し」
義弘が応えた。
「そして」
「我等全員でな」
「四万の兵で向かい」
「戦を挑むのじゃ」
「そうしますな」
「その耳川でな」
そこでというのだ。
「よいな」
「さすれば」
「そしてじゃ」
義久はさらに話した。
「耳川は流れが強い」
「あの川に落としていきますな」
「川を渡った大友家の軍勢を釣り野伏せで攻め」
そしてというのだ。
「そうしてな」
「一気にですな」
「突き崩し」
「耳川に落とす」
「そうして勝つぞ」
「あの地で戦うならやはり耳川をどう使うかです」
歳久も言ってきた。
「あの川を挟んで戦うことも出来ますが」
「それと共にな」
「はい、あえて渡らせ」
「その釣り野伏せでな」
「戦うこともです」
それもというのだ。
「出来ますので」
「それで、であるな」
「あの川を上手く使えば」
「我等はな」
「大友家の軍勢を確かにです」
「散々に破ることが出来るな」
「まさに」
こう義久に話した。
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