恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十五話 陸遜、ふと見つけるのことその二
「無闇に憎むとね」
「目を曇らせる」
「そうなってしまいますね」
「ええ。姉様も気付いておられるだろうし」
「何かあれば止めに入りますか」
「そうしますか」
「無闇な争いは起きないに限るわ」
冷静な目でだ。孫権は見ていた。
そしてそのうえでだ。こう家臣達に述べた。
「では。私達もね」
「はい、見ていきましょう」
「これからのことを」
「難儀な話じゃ」
黄蓋も話す。
「戦が終わっても厄介なことが続くわ」
「世の中ってそういうもの?」
孫尚香は首を捻ってこんなことを言った。
「ひょっとして」
「ええ、そうよ」
その通りだとだ。姉は妹に話した。
「世の中は問題が尽きないものよ」
「一つの話が終わってもなのね」
「そうよ。次から次にね」
「そうなの」
「そしてそれを一つずつ終わらせていくのがじゃ」
そうだとだ。黄蓋は孫尚香に話す。
「政というものじゃ」
「そうなのね。じゃあ今回のこれも」
「そうよ。終わらせるわよ」
「ええ、わかったわ」
「さて。話が終わったところでじゃ」
黄蓋はそう見て早速だった。酒を出してだ。
一同にだ。笑顔で話すのだった。
「じゃあ今から飲むぞ」
「御昼ですけれどいいんですか?」
「あの、お酒って」
呂蒙と周泰がここで話す。
「今からですか」
「皆で」
「そうじゃ。楽しくやるぞ」
見ればだ。もう杯を出している黄蓋だった。
そしてそのうえでだ。飲みはじめるとだ。
くすりと笑ってだ。孫権が言った。
「じゃあ私もね」
「うむ、蓮華殿も飲まれるか」
「そうさせてもらうわ。それじゃあね」
「飲むとしようぞ」
こう話してだった。他の面々もだ。
「じゃあ飲むか」
「今から」
こうしてだった。孫家の面々も飲むのだった。とりあえず司馬家のことは忘れてだ。
しかしだ。その司馬家のことは誰もが首を傾げさせていた。それは孫家だけでなくだ。袁術も同じでだ。やはり洛陽の彼女の屋敷でだ。こう話すのだった。
「ええい、全く忌々しい話じゃ」
「司馬家のことですよね」
「そうじゃ。何じゃその司馬師と司馬昭というのは」
こう張勲にも話す。
「全く以て訳がわからん」
「はい、本当に」
「七乃も知らんかったのか」
「ええ、私もびっくりしてます」
いつもの余裕の顔はだ。張勲からは消えていた。
そのうえでだ。彼女は己の主に言うのである。
「あんな方がおられるなんて」
「しかも二人じゃ」
「ええ。それもどうやら」
「どうやら?」
「あのお二人も切れ者と思っていいみたいです」
「司馬家だからか」
「はい、司馬尉さんも切れ者ですよね」
こう言われるとだ。袁術もだ。
難しい顔でだ。こう述べるのだった。
「忌々しいがその通りじゃ」
「そうですよね。ですから」
「妹連中も切れ者だとするとじゃ」
「厄介ですね」
「厄介なことこの上ないわ」
地団駄を踏む様にして言う袁術だった。
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