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おぢばにおかえり

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第六十二話 二人乗りその七

「そのことは」
「だからね」
「そこは、ですね」
「気をつけて」
 そしてとさらにお話しました。
「何度も言うから」
「言うから、ですか」
「阿波野君のその癖性分がなおるまでね」
「そうですか」
「ええ、とにかくわかったわ」
 阿波野君の一面がです。
「阿波野君はとにかく人を嫌い過ぎるわ」
「特定の人をですね」
「人以外のものにもでしょ」
「巨人嫌いです」
「そう言えばアンチって言ってたわね」
「元近鉄ファンなんで」
 それでソフトバンクファンと聞いています。
「だからです」
「ソフトバンクも強いでしょ」
「南海時代から散々僭主強奪されてますから」
「昔のことを入れてなの」
「巨人嫌いです」
「それもね」
 そんな南海時代のことなんてです、私達が生まれるずっと前のことなので。
「いいわよ」
「そうですか」
「別にね」
 心から思うことでした。
「どうでもいいでしょ」
「いやいや、やられたことは忘れたら駄目ですから」
「そこでも執念深さ出るし」
「これが僕の癖性分ですね」
「あれ?小久保さんみたいなことあったの」
「はい、別所広岡長嶋柴田って」
「長嶋さんも?」
 すぐにこの人の名前に気付きました。
「そうだったの」
「はい、南海が獲得しようとしたら」
「巨人になったの」
「巨人は極悪非道なことばかりして」
 私には偏見にしか思えない言葉でした。 
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