八条学園騒動記
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第五百九十六話 カルボナーラその六
「そのうえでね」
「休むか」
「そうするつもりだから」
「俺もか」
「そうしたらいいわ」
「そうか、じゃあな」
「今回は引き分けよ」
このことも言った。
「だから今度こそはね」
「勝つか」
「約束するわ」
「別の約束をしてやる」
フックはラビニアに負けじと返した。
「勝つのは俺だ」
「言ってくれるわね」
「そちらこそな」
「それならその意気受けるわ」
「俺もだ、じゃあな」
「またね」
「ああ、またな」
二人はこう言い合って別れた、フックはそのまま自分のクラスに戻った。そうして胃薬を飲んでだった。
そのまま寝袋の中に入った、菅はその彼に声をかけた。
「もう寝るの?」
「寝ないけれどな」
フックは菅に応えた。
「けれどさっきカルボナーラの大食い対決に出た」
「またラビニアと勝負したんだ」
「そうしたが」
それでもというのだ。
「引き分けだった」
「今回はそうだったんだ」
「それで腹一杯食ってな」
「今は動けないんだ」
「そうだ」
こう言うのだった。
「今はな」
「それで休んでいるんだ」
「胃薬は飲んだ」
「それで後は休んで」
「夜になったら寝る」
「今夜は飲まないの?」
「飲む」
即答だった。
「それはな」
「やっぱりそうするね」
「やっぱりか」
「だってこの学園殆どがお酒大好きだから」
菅はフックに無表情で答えた。
「それでフックもだしね」
「それで飲むと答えるとか」
「思っていたよ」
「そうなんだな」
「それで何を飲むのかな」
「ブランデーにしたい」
飲むのはこの酒だというのだ。
「胃薬は飲んだが流石に食い過ぎた」
「それであまり入らないんだ」
「お腹にな、だからな」
「沢山飲まないで」
「多少飲んでだ」
「酔いたいんだ」
「だからブランデーだ」
この酒だというのだ。
「蒸留酒がいいね」
「成程ね、ただね」
「ただ?何だ」
「強いお酒なら」
少しの量で酔えるそれならというのだ。
「もっといいのがあるよ」
「蒸留酒でか」
「うん、スピリチュアルね」
「ああ、あれか」
「あれはアルコール度九十七パーセントだからね」
「殆どアルコールだな」
「これを飲んだら」
そのスピリチュアルはというのだ。
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