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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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  第14話 陽だまり、デジタルワールドへ! 光の闘士ヴォルフモン

 
前書き
今年が終わりつつある中、何とか今年最後の投稿が出来ました^_^

今回は未来さんがデジタルワールドへ飛び、パートナーデジモンと出会い、響達と合流します^_^

それでは最新話よろしくお願いします!^_^ 

 
時はまだ未来がデジタルワールドへ転移する前……まだ新暦世界にいた時へと遡る。

未来はエルシャと共に近くのスーパーへ車で買い出しに行き、1時間ほど経った後でコテージへと戻って来た。


エルシャ「買い出し手伝ってくれてありがとう、未来ちゃん。お姉さん、おかげで助かったわ♪」

未来「いえいえ、これぐらいお安い御用です。頑張る響達の為にも美味しいバーベキューをご馳走したいですから♪」

エルシャ「ふふふ、そうね。さあ、食材をコテージへ運びましょう♪」

未来「はい♪」


未来とエルシャが買って来た食材を車から運び終えること数分後……


未来「えっ!? 響達、薪集めからまだ戻って無いんですか!?」

アリサ「そうなのよ。薪集めでこんなに時間がかかるなんて、どう考えてもおかしいわ」


未来はアリサとすずか、リイン達から響達が薪集めから戻っていないことを聞かされる。


すずか「なのはちゃん達のスマホに連絡してみたんだけど、一向に繋がらなくて……」

リイン「私もはやてちゃん達に念話で連絡してはいるんですけど、全然繋がらないんです……」

未来「そ、そんな……」


響達と連絡が取れないと聞いた未来は不安そうな表情を浮かべる。


すずか「連絡がつかないなんて、やっぱりおかしいよ。なのはちゃん達の身に何かあったんじゃ……」

アリサ「ねえ、リイン。オートスコアラーって言う連中がなのは達に襲って来て、皆戦闘中だったりとかはしない?」

リイン「それは無いと思います。もしオートスコアラー達やアルカ・ノイズが襲撃して来たら、このコテージの敷地内に設置したエリアサーチで検知される筈ですので……」

アリサ「そうなんだ……」

エルシャ「……兎に角、私がこの周辺を探してみるわ。アリサちゃんや未来ちゃん達はここで……」

エルシャは未来達にコテージで待つよう言いかけたところで……


未来「わ、私、響達を探しに行きます!」


響達……特に響が心配になった未来がコテージの外へ出てしまうのだった。


すずか「未来ちゃん!?」

エルシャ「待って、未来ちゃん! 1人じゃ危険よ!」


エルシャ達が未来を呼び止めようとするも、未来は元陸上部で鍛え上げた走力でコテージからだいぶ離れて行く。


エルシャ「未来ちゃんは私が連れ戻すから、アリサちゃん達はここで待ってて!」

すずか・リイン『は、はい!』

アリサ「義姉さんも気をつけて!」

エルシャ「ええ!」


エルシャは外へ出て行ってしまった未来の後を追うのだった……
















未来「はあ、はあ、はあ……響! 響!! 何処にいるの!? いたら返事して!」


未来は響の名を呼びながらコテージ近くの森を10分ほど走り回っているが、一向に見つかる気配が無かった。

彼女は知らない……探し人である響達は現在別の世界へ行ってしまっていることに……


未来「はあ、はあ、はあ…………響……」


未来が行方の分からない大切な親友の身を案じる中……


「グルルル……ッ!」

未来「え?」


突如獣の声が聞こえて来て、未来がその方へ視線を向けると……


デビドラモン「グルルル……ッ!!」

未来「か、怪獣!?」


黒い邪竜型デジモンーーデビドラモンがいた。

デジタルワールドの住人にしてデジモンであるデビドラモンが何故新暦世界にいるのかと言う疑問を抱くなど、デジモンのことを全く知らない未来には無理な話で、未来は目の前のデビドラモンを怪獣だと思い、ただ恐怖に怯えるばかりであった。

未来は急いでデビドラモンから逃げ出そうとするが……


未来「っ! か、体が動かない、どうして……!?」


金縛りにあったかのように自身の体が動かない感覚に襲われる。

その理由は未来がデビドラモンに真紅の複眼ーーレッド・アイで睨み付けられたことで動きを封じられたからである。

デビドラモンは動けない未来にとどめを刺そうと、真紅の巨大な爪を構えながら近付く。

そして……


未来「い、いやっ、来ないで……!!」

デビドラモン「グルルルッ……ガアアアアッ!!」

未来「いやああああああああっ!!!」


デビドラモンは未来に向かって爪を振り下ろし、動けない未来は悲鳴を上げ、訪れる痛みへの恐怖から思わず目を閉じた……そんな時、未来とデビドラモンの前に眩い光が突如現れる。


デビドラモン「グオッ!?」

未来「な、何!?」


その光にデビドラモンが怯み、未来が驚いている中、光はさらに輝きを増して行く。

そして……


デビドラモン「グオオオオオオッ!!?」

未来「きゃあああああああああっ!!!」


未来とデビドラモンは光に飲み込まれ、光が治まった時には既にその姿が無かったのであった……
















未来「ん……んん……あ、あれ? ここは……何処……?」


それから暫くして未来はデジタルワールドへと次元漂流し、現在に至る。


未来「あ! そう言えば、さっきの黒い怪獣は!?」


未来は黒い怪獣ーーデビドラモンのことを思い出して辺りを見回すが、幸いなことにデビドラモンは未来の近くにいなかった。


未来「はあ、良かった〜……さっきの怪獣と言い、光と言い、何だったんだろ? 夢でも見てたのかな……?」


未来は先程のデビドラモンと光のことを思い出し、不思議そうな顔をしていた。


未来「あ、そうだ! 響達を探さなきゃ! あ、でも……よくよく考えたら、私勝手にコテージから飛び出しちゃったんだったっけ……エルシャさん達心配してるだろうし、一度コテージに戻った方が良いかな……?」


未来はこの時自身が新暦世界では無い異世界にいること、そして今はコテージに戻れないことに気付いていなかった。

そんな彼女に忍び寄る影があった。


?「キィィィィィッ!!!」

未来「え? な、何!?」


突如聞こえたその奇声に未来は驚き、聞こえた方へ視線を向けると……


スナイモン「キィィィィィッ!!!」

未来「えええっ!? 今度はカマキリの化物!?」


成熟期の昆虫型デジモンーースナイモンの姿があり、スナイモンは未来に接近し、腕の鎌を振り下ろそうとしていた。


未来「きゃあああああっ!!?」


あまりに突然のことで逃げ遅れた未来は悲鳴を上げ、訪れる痛みへの恐怖から思わず目を閉じた……その時。


?「リヒト・ナーゲル!!」

スナイモン「キィィィィィッ!!?」

未来「…………え?」


突如現れた何者かが光り輝く両手の爪でスナイモンを斬り裂いたことで、未来は死の危機から救われ、斬り裂かれたスナイモンはそのままデータの粒子となって消滅した。

未来は自身を助けてくれた者の正体を確かめようと視線を向けると……そこには、半獣半人の姿をしたデジモンがいた。


?「怪我は無いか、未来?」

未来「は、はい! あの、どうして私の名前を? それに貴方は一体……?」

?→ストラビモン「俺の名はストラビモン、お前のパートナーデジモンだ。パートナーである者の名前を知っていてもおかしくはない」


未来の問いに、クールな印象が強い成長期の獣人型デジモンーー『ストラビモン』はそう答える。


未来「ぱ、パートナーデジモン? ごめんなさい、貴方の言っていることの意味がよくわからないんだけど……」

ストラビモン「む、そうか? まあ見たところ、この世界に来たばかりで混乱している様だからな。理解しろと言う方が無理があるか……すまん、俺自身の配慮が足りなかったな」

未来「ううん、気にしないで……あれ? この世界に来たばかり?」


ストラビモンの言葉に引っかかるものを感じた未来は疑問符を浮かべる。


未来「え、えっと、ストラビモン……だったよね? 1つ聞きたいんだけど……私がこの世界に来たばかりってどう言う意味……?」

ストラビモン「? そのままの意味で、未来はこの世界ーーデジタルワールドに来たばかりなんだろ?」

未来「で、デジタルワールド? もしかして……私が住んでた世界とは別の世界ってこと……?」

ストラビモン「ああ、その通りだ」

未来「…………ええええええええええええっ!?」


デジタルワールド……異世界に来てしまったことを知った未来の驚きの声が森の中に響き渡るのだった……
















未来がデジタルワールドに来るよりも数時間前。

視点は変わり、デジタルワールドへやって来て2日目である響とセレナが宿泊している始まりの町では、昨日黒い歯車に操られたアンドロモンとの戦闘で怪我を負った響が医療班の主治医である、ウィザーモンに似た姿をした成熟期の魔人型デジモンーー『ソーサリモン』の診察を受けていた。


ソーサリモン「ふむ、予想以上に傷の治りが早いな。今日1日安静にしていていれば、明日には完治できるだろう♪」

響「ありがとうございます♪ あ、そうなると、今日は皆の捜索に行ったらダメですか……?」

ソーサリモン「ああ。いくら回復の傾向があるからとは言え、無理して怪我を悪化させる訳にいかないからな。悪いが、今日1日は安静にしてて貰うぞ」

フレイモン「響、お医者さんもこう言ってるんだし、今日1日はゆっくり休みなって」

セレナ「マリア姉さん達の捜索は私とガブモンが引き受けますから」

響「うー……わかったよ。セレナちゃん、ガブモン、任せちゃって悪いけど皆の捜索よろしくね」

セレナ「はい!♪」

ガブモン「うん、任せてよ♪」


響は怪我のことがあって安静にする必要がある為、付き添いのフレイモンと共に今日1日始まりの町に残ることになり、逸れた仲間達の捜索にはセレナとガブモンが行くことになった(と言っても、夕方頃になったら始まりの町に戻って来るが)。

そして、ハックモンはと言うと……


ハックモン「悪い、俺も一緒に付いて行ってやりたいところだが……中々目を覚まさないこの子のことが心配だからな……」

「スー……スー……」


未だに眠り続ける銀髪の少年のことが心配である為、ハックモンも始まりの町に残るのだった。


響「この子1日経っても目を覚まさないみたいですけど、大丈夫なんですか?」

ソーサリモン「診察した結果では命に別状は無いが……この子の体に大量の麻酔薬や睡眠薬が投与された形跡があった。暫くは目を覚ますどころか、体を動かすことさえままならないだろう……」

セレナ「そうですか……でも、何でこの子に大量の麻酔薬や睡眠薬が投与されていたんですか?」

ソーサリモン「残念ながら理由まではわからない。だが、そうまでしないといけない『理由』があったのかもしれないな……」

響・セレナ『……』


ソーサリモンの言う、銀髪の少年に麻酔薬や睡眠薬を大量投与してまで眠らせないといけない『理由』について響とセレナには想像ができなかった……正確に言うと、あまり想像したくないと思うのだった。

それから少しして、セレナとガブモンが進化したガルルモンは仲間達の捜索に向けて出発しようとし、見送りとしてレオモンとエレキモンがいた。


エレキモン「ほらよセレナ、弁当と水筒だ。ちゃんと休憩は取れよ♪」

セレナ「ありがとうございます♪」

レオモン「すまない、私達の内誰かを君達の手伝いに回せれば良かったのだが……」

ガルルモン「謝らなくて良い。レオモンやアンドロモン達がレジスタンスの立て直しやデビモンへの再戦に向けての準備に忙しいのはわかってるから」

セレナ「私達も夕方頃には捜索を切り上げて戻って来ます。それまで立花さん達のことをよろしくお願いします」

レオモン「承知した、任せてくれ♪」

セレナ「それじゃあ、行って来ます♪」

エレキモン「おう、気をつけてな♪」

ガルルモン「ああ♪」


こうして、セレナとガルルモンは仲間達の捜索に向けて出発するのだった……
















視点は再び未来とストラビモンに戻り、未来は異世界であるデジタルワールドに来てしまったことに対する混乱から何とか落ち着き、ストラビモンにデジタルワールドのことや、ストラビモン達デジモンのこと等の説明を受けていた。


ストラビモン「説明は以上だが、何かわからないことはあるか?」

未来「ありがとう、大体理解できたよ♪ でも、ここがデータで構成された世界だなんて、とてもそんな感じはしないね」

ストラビモン「まあな。データで構成されているとは言え、デジタルワールドは未来達の世界と同じ『現実の世界』だからな。そして、デジタルワールドと同じデータで構成された俺達デジモンも感情を持って『生きている』生命体だ」

未来「そっか……うん、そうだね♪」


未来はストラビモンの言葉に、このデジタルワールドがゲームの世界では無い『現実の世界』、そしてストラビモン達デジモンが自分達と同じ感情があり、現実を『生きている』生命体であることをちゃんと理解するのだった。


未来「それにしても、異世界に来ちゃうなんて……エルシャさん達心配してるだろうし、響達を探さないといけないのに……どうしたらいいんだろう……?」

ストラビモン「? 誰か探してるのか?」

未来「うん。私と同じ人間で、友達なんだけど、急にいなくなっちゃって……」

ストラビモン「人間か……そう言えば、最近始まりの町を拠点としているレジスタンスに人間の協力者が加わったと噂で聞いたな……」

未来「っ! それ、本当!?」


未来はストラビモンの言葉に食い付く。


ストラビモン「あ、ああ。俺自身実際見た訳では無いのだが……何でもレジスタンスのリーダーのレオモンが凶暴化して我を忘れていたところを、不思議な衣を身に纏い、歌いながら戦う人間の少女に助けられたことをきっかけに、人間の少女はレジスタンスの協力者になったらしいそうだ」

未来「不思議な衣に、歌……っ!(シンフォギアのことだわ! そして、レオモンって言うデジモンを助けたのは……たぶん、響!)」


ストラビモンの言う人間の特徴からシンフォギア、そして親友の響を連想した未来は次の行動へと移る。


未来「ストラビモン、その始まりの町って場所にはここからどう行けば良いの?」

ストラビモン「ここから少し離れた場所にあるが……始まりの町に行きたいのか?」

未来「うん。そのレジスタンスに協力してる女の子、もしかしたら私の友達かもしれないの。だから……」

ストラビモン「なるほど、そう言うことか……わかった、であれば一緒に始まりの町へ行こう」

未来「! 一緒に来てくれるの?」

ストラビモン「当然だ。俺は未来のパートナーデジモン、俺以外誰が未来を守れると言うんだ?」

未来「ストラビモン……ありがとう! ストラビモンって、優しいんだね♪」

ストラビモン「だ、大事なパートナーを守るのは当たり前だ。礼を言われることでは無い……///」

未来「ふふふ♪(ストラビモンって、クリスみたい♪)」


照れながら不器用にそう返すストラビモンを見て、響の次に親しいクリスに似てると内心思うのだった。


ストラビモン「と、兎に角、さっさと始まりの町へ向かうぞ///」

未来「うん、行こう♪」


未来とストラビモンは始まりの町に向かって移動を開始しようとした……その時。


?「グオオオオオッ!!」

ストラビモン「っ! 危ない!」

未来「きゃっ!?」


突如何者かが獣のような咆哮をあげながら攻撃して来て、それに気付いたストラビモンが未来を押し倒したことで、2人は攻撃を回避する。

そして、未来とストラビモンを襲った攻撃は近くにあった木を薙ぎ倒した。


ストラビモン「くっ……怪我は無いか、未来?」

未来「う、うん、ありがとう。でも、一体何が……?」

ストラビモン「……どうやら奴からの攻撃の様だ」

未来「え?」


ストラビモンが指す方に、未来が視線を向けると……


デビドラモン「グオオオオオッ!!」

未来「! あれは、さっき私を襲って来た黒い怪獣!?」


デジタルワールドへ次元漂流する前、未来を襲って来たデジモンーーデビドラモンの姿があった。


ストラビモン「奴はデビドラモン、あれもデジモンだ!」

未来「あれも、デジモンなの……!?」

デビドラモン「グオオオオオッ!!」

未来「っ!」

ストラビモン「ちっ! リヒト・ナーゲル!!」


デビドラモンが必殺技である巨大な真紅の爪での攻撃ーークリムゾンネイルを未来に向けて繰り出すのに対し、ストラビモンは未来を守る為に先程スナイモンを仕留めた必殺技である光り輝く両手の爪ーーリヒト・ナーゲルで迎撃するが……


デビドラモン「ガアアアアッ!!」

ストラビモン「ぐああっ!?」

未来「ストラビモン!?」


いくら並の成熟期デジモンより強いストラビモンと言えど、成熟期の中でもかなり高い戦闘力を持ち、体格やリーチ共にストラビモンを上回るデビドラモン相手に流石に分が悪く、押し負けてぶっ飛ばされてしまうのだった。


未来「ストラビモン!」


未来はデビドラモンにぶっ飛ばされたストラビモンを何とかキャッチして抱き留めるのだった。


未来「ストラビモン、大丈夫!?」

ストラビモン「み、未来……すまない、助けられてしまった様だな……」

未来「謝らないで。ストラビモンは私を二度も助けてくれたじゃない。私だってストラビモンを助けたいんだから」

ストラビモン「未来……」

未来「私達、パートナーでしょ? 助け合うのは当たり前だよ」

ストラビモン「フッ、そうだな……」


陽だまりのような温かさを感じさせる笑みを浮かべながらそう言う未来の言葉に、ストラビモンも柔らかな表情を浮かべながら同意する。

そんな良い雰囲気の未来とストラビモンの邪魔をするかのように……


デビドラモン「グオオオオオッ!!」


デビドラモンが2人に迫りつつあった。


ストラビモン「さてと……デビドラモンを何とかしないとな」

未来「ストラビモン……私に何か出来ること無い?」

ストラビモン「何?」

未来「私、ただ見てるだけなのは嫌なの! 私もストラビモンと一緒に戦いたい!」

ストラビモン「未来……ならば俺を信じて、勝てるよう祈ってくれるか?」

未来「え?」

ストラビモン「ただ見てるだけなのと、戦う誰かを信じて祈ることは全く意味合いが違う。未来の想いは俺の力となり、俺は未来の想いを背負って戦う……形は違えど、これでも十分『一緒に戦う』ことになるだろ?」


ストラビモンはクールに笑いながら、未来にそう言う。

ストラビモンのそんな自論に、未来はくすりっと笑みを浮かべると……


未来「うん、わかったよ……私はストラビモンのことを信じるよ。だから……絶対に負けないで」

ストラビモン「フッ……ああ、勿論だ!」


未来はストラビモンを信じることを決め、ストラビモンは力強く答える。

未来とストラビモンの心が重なり合った……その時。


ドクンッ……!

未来「っ!」


未来は何かが鼓動するような感覚を感じた。

その直後に、未来とストラビモンの前方に眩い光が放たれた。


デビドラモン「グオオッ!?」

未来「な、何!?」

ストラビモン「この光は!」


突然現れた光はデビドラモンを怯ませた後、形を変えながらゆっくりと未来の手の中へと降りると……ベースの色が白色で中央の液晶周りの装飾が紫色であるデジヴァイスが姿を現すのだった。


未来「これは……?」

ストラビモン「それは、デジヴァイス! 俺と未来のパートナーの証だ!」

未来「デジヴァイス……私とストラビモンのパートナーの証……!」


未来が手に持つデジヴァイスから放たれた光はストラビモンに照射され、その光を受けたストラビモンは……


ストラビモン「感じる……未来の心の光が、俺に新たな力を与えてくれているのを!」


体内から大きな力が漲ってくるのを感じていた。

そして、ストラビモンは……


ストラビモン→ヴォルフモン「ストラビモン、進化!! ヴォルフモン!!」


各部に聖なる光が封じ込められている『セントアメジスト(聖紫水晶)』のパーツがある白い衣服に、首に巻いている紫の縞模様が入ったマフラー、銀色の狼を模したヘルメットで顔の上半分を隠しているのが特徴的で、自分の信じる物の為には命を賭けられる騎士道精神と優しき心の持ち主である、古代デジタルワールドの危機を救った伝説の英雄達ーー『十闘士』の力を宿す成熟期の戦士型デジモンーー『ヴォルフモン』へと進化を遂げた。

ストラビモンもまた、響のフレイモンやアニューのララモンのように伝説の十闘士の内の1体ーー『エンシェントガルルモン』の遺伝子を受け継いだデジモンで、その潜在能力は未知数と言える程計り知れないものであった。


未来「す、ストラビモンの姿が変わっちゃった!? もしかして、これがさっきストラビモンが話してくれたデジモンの進化なの……?」

ヴォルフモン「ああ、その通りだ。今の俺はヴォルフモンだ、未来」

未来「ヴォルフモン……うん、騎士みたいでかっこいいよ、ヴォルフモン♪」

ヴォルフモン「フッ、ありがとう……後は任せろ!」

《挿入歌:With The Will / Be The Winners》
※お好きな方を脳内BGMとして再生してください。


ヴォルフモンはそう言って、デビドラモンに向かって駆け出す。


デビドラモン「グルルルッ、ガアアアアッ!!」


デビドラモンもヴォルフモンに向かって飛翔し、クリムゾンネイルを仕掛けようとしていた。

それに対して、ヴォルフモンは……


ヴォルフモン「リヒト・ズィーガー!!」


主武装である光の双剣『リヒト・シュベーアト』による斬撃で迎撃する。


デビドラモン「ガアアアアアアッ!!」

ヴォルフモン「うおおおおおおっ!!」


ヴォルフモンはリヒト・シュベーアトによる二刀流で、デビドラモンは巨大な真紅の爪で、互いに斬撃の応酬を展開して行くが……


ヴォルフモン「はあああっ!!」

デビドラモン「ギャオオオッ!?」


ヴォルフモンの斬撃がデビドラモンの片腕を斬り落とす。

片腕を失ったデビドラモンは痛みに苦しみながらも尻尾で反撃するが、対するヴォルフモンは巧みなフットワークと高いスピードでデビドラモンの攻撃を躱して行く。

そして、ヴォルフモンは二振りのリヒト・シュベーアトの柄を繋いで連結させると……


ヴォルフモン「ツヴァイ・ズィーガー!!」

デビドラモン「ガアアアアアアッ!!?」


連結したリヒト・シュベーアトによる多角的な連続斬りで、デビドラモンの尻尾やもう片方の腕を斬り落とし、胴体にも複数の切傷を作った後、ヴォルフモンはリヒト・シュベーアトを納めて左腕を構えると……


ヴォルフモン「これで終わりだ! リヒト・クーゲル!!」

デビドラモン「ッ! ガ、ガアア……ッ!?」


左腕のアームの銃口からレーザーを放ち、デビドラモンの胴体にある切傷に直撃させると、そのままデビドラモンの体内のデジコアを貫く。


デビドラモン「ギャアアアアアアッ!!?」


デジコアを破壊されたデビドラモンは断末魔の叫びを上げながら、データの粒子となって消滅するのだった。


ヴォルフモン「ふう……」

未来「ヴォルフモン、お疲れ様♪ 怪我はしてない?」

ヴォルフモン「ありがとう未来、大丈夫だ。さて、とんだ邪魔が入ったが、改めて始まりの町へ向かうとしよう」

未来「うん♪」


未来とヴォルフモンが始まりの町に向けて移動を開始しようとした……その時。


ヴォルフモン「っ!」

未来「ヴォルフモン? どうかしたの?」

ヴォルフモン「気を付けろ、未来。何か来る……!」

未来「え!?」


何かを察知したヴォルフモンがリヒト・シュベーアトを抜刀し、未来を背に庇いながら辺りを警戒する中……


クワガーモン「グワアアアアッ!!」


1体のクワガーモンが現れるのだった。


未来「こ、今度はクワガタの化物!?」

ヴォルフモン「クワガーモン、あれもデジモンだ。さっきのスナイモンがいたことを考えると、どうやらここは昆虫型デジモンの縄張りの様だな」

未来「……デジモンって、色んなのがいるんだね……」

ヴォルフモン「まあな。未来は下がっていてくれ、奴は俺が倒す!」

クワガーモン「グワアアアアッ!!」


クワガーモンは未来とヴォルフモンに向かって顎の鋏による攻撃ーーシザーアームズを繰り出し、ヴォルフモンはリヒト・シュベーアトを構えて迎撃しようとするが……


?「フォックスファイアー!!」

クワガーモン「グワアアアアアアアアッ!?」

未来・ヴォルフモン『っ!?』


何処からか飛んで来た青い炎がクワガーモンに直撃し、クワガーモンは断末魔の叫びをあげながらその青い炎に焼き尽くされ、データの粒子となって消滅するのだった。

未来とヴォルフモンは何事かと驚きながらも、攻撃が飛んで来た方へ視線を向けると……


セレナ「そこのお二方〜! 大丈夫ですか〜!?」

未来「っ! あれって……!」

ヴォルフモン「ガルルモンに、人間の少女か……!」


狼のような姿をした成熟期の獣型デジモンーーガルルモンの背に乗って駆け寄るセミロングの茶髪をした少女ーーセレナの姿があった。

セレナとガルルモンは仲間達の捜索する中、偶然クワガーモンに襲撃されている未来とヴォルフモンを見かけ、助けに現れたのだ。


セレナ「あの、お怪我はありませんか?」

未来「う、うん、ありがとう。おかげ様で何とも無いよ♪」

ガルルモン「まあそこにいる彼だけでもクワガーモンを倒せたとは思うけど、余計なお世話だったかな?」

ヴォルフモン「フッ……いや、そんなことは無いさ。助かった、礼を言う」


未来とヴォルフモンはセレナとガルルモンに感謝の言葉を言うのだった。


未来「あ、私は小日向未来♪ こっちは私のパートナーデジモンのストラビモンが進化した……」

ヴォルフモン「ヴォルフモンだ、よろしく頼む」

セレナ「セレナ・カデンツァヴナ・イヴです。そして、この子は私のパートナーデジモンのガブモンが進化したガルルモンです♪」

ガルルモン「よろしく♪」

未来「よろしくね、セレナちゃんにガルルモン♪……あれ?」


未来とヴォルフモン、セレナとガルルモンが互いに自己紹介をする中、未来があることに気付く。


未来「カデンツァヴナ・イヴって、マリアさんのファミリーネームと似てるような……」

セレナ「っ! マリア姉さんを知ってるんですか!?」

未来「ね、姉さん!? もしかして、セレナちゃんってマリアさんの妹なの!?」

セレナ「はい、そうです!♪」

未来「えええっ!?」


未来はセレナがマリアの妹であることに驚きの声を上げる。

だが、未来は次のセレナの言葉にさらに驚くことになる。


セレナ「あれ? マリア姉さんを知っていると言うことは……もしかして、小日向さんは立花さんのお知り合いですか?」

未来「っ! 響を知ってるの!?」


未来は物凄い勢いでセレナに詰め寄る。


セレナ「は、はい、このデジタルワールドで出会って行動を共にさせて貰っています」

未来「そ、それで、響は今何処に!?」

セレナ「始まりの町です。立花さんはデビモンに操られたアンドロモンを助ける戦いで怪我を負って、現在療養中でして……」

未来「っ! ひ、響が、怪我を追って、療養中……!?」


響が怪我を負って療養中であることを聞いて顔を真っ青にする未来を見て、セレナは慌てて補足する。


セレナ「あ、でも、大事に至るような怪我では無いです! シンフォギアのおかげで致命傷には至らなかったですし、すぐにレジスタンスのお医者さんのソーサリモンに治療して貰いましたので、今日一日安静にしていれば完治できるそうですよ♪」

未来「そ、そうなんだ……良かった〜……」


響の怪我が重いものでは無いことを知った未来は安心と共に脱力し、思わずその場に膝を着くのだった。


ヴォルフモン「未来!?」

セレナ「だ、大丈夫ですか!?」

未来「ご、ごめん、響が重症を負ってる訳じゃないって分かって安心できたら、体の力が抜けちゃって……」

ヴォルフモン「そうか……何にせよ、探していた親友の居場所が分かって良かったじゃないか」

未来「うん、そうだね……早く響に会いたいよ……」

セレナ「それなら、このまま一緒に始まりの町へ行きませんか? 私とガルルモンも丁度始まりの町へ戻ろうと思っていたので♪」

未来「っ! 良いの!?」

セレナ「はい、勿論です。立花さんのお友達であるなら、連れて行くのにダメな理由なんてありませんから♪」

未来「ありがとう、セレナちゃん!♪」

セレナ「どういたしまして♪ それじゃあ、ガルルモンの背中に乗ってください。ガルルモン、良いですよね?」

ガルルモン「ああ、問題ないよ♪ ヴォルフモン、君も俺の背中に乗ってくれ」

未来「ありがとう、ガルルモン♪」

ヴォルフモン「すまない、世話になる」


それから少しして、ガルルモンの背に乗ったセレナと未来、そしてヴォルフモンから退化したストラビモンは、ガルルモンに乗せられながら始まりの町に向かうのだった……
















時は夕方頃になり、セレナとガルルモンによって始まりの町に到着した未来は、目的の人物ーー響を探すこと数分後……


フレイモン「響、本当に寝てなくて大丈夫か?」

響「へいきへっちゃらだよ♪ セレナちゃんとガブモンが皆を探してくれているのに、何かしてないと落ち着かないよ」

フレイモン「ったく、しょうがない奴だな。まあ、ソーサリモンからは激しい運動をしなければ良いって言ってたし、晩飯の材料集めくらいは大丈夫か……けど、あんま無理はすんなよ」

響「あはは、そこまで心配しなくても大丈夫だよ……」


フレイモンと共に晩飯の材料集めをする響を見つけるのだった。

そして……


未来「響ーーーー!!」

響「え? この声は……って、未来!?」


未来は響の元へ全速力で駆け寄ると……


未来「響!!」

響「わあっ!?」


響に勢いよく抱き着くのだった。

響はあまりに突然のことで未来を支え切れず、そのまま押し倒されて……地面に頭をゴツンッとぶつけてしまうのだった(笑)


響「あいた〜〜〜っ!?」

未来「ひ、響、ごめん! 大丈夫!?」

フレイモン「おいおい、そこの姉ちゃん! 響は一応怪我人なんだから、ダメージを与えるようなことはしないでくれよ!」

未来「ご、ごめんなさい!」

響「だ、大丈夫だよ、未来、フレイモン……でも、何で未来がデジタルワールドにいるの?」

未来「それは……」


響が未来が何故デジタルワールドにいるのかを聞いている中……


セレナ「立花さ〜ん!♪」

ガブモン「お〜い!♪」


セレナとガブモン、ストラビモンがやって来た。


響「あ、セレナちゃんにガブモン! お帰り♪ 何か皆の手掛かりはあった?」

セレナ「すみません、ムゲンマウンテン付近を一通り回って見たのですが、マリア姉さん達はこの付近にはいない様です」

ガブモン「でも、その代わり未来達に会うことができて、ここまで連れて来たんだ♪」

響「そうだったんだね♪」

未来「うん、セレナちゃん達のおかげでここに来られたの♪ あ、そうだ、響に紹介したい子がいるの♪ 私のパートナーデジモンで……」

響「あ、私も未来に紹介したい子がいるんだ♪ 私のパートナーデジモンで……」


響と未来が互いのパートナーデジモンを紹介しようとするが……


フレイモン「ストラビモン!? ストラビモンじゃないか!」

ストラビモン「っ! お前は、フレイモン!」

響・未来『えっ!? 知り合い!?』


フレイモンとストラビモンが互いに驚き、響と未来は紹介しようとした2人が知り合いであることに驚く。


フレイモン「ああ、ストラビモンは俺の幼馴染で親友なんだ♪ お互いパートナーを探す為に、別々に行動してたんだ」

響「へえ〜、そうだったんだね」

ストラビモン「それにしても、未来の親友がお前のパートナーだったとはな」

フレイモン「俺だって、お前のパートナーが響の親友であることに驚いているよ。世間ってのは狭いもんだなぁ」

ストラビモン「フッ、そうだな。それに……どうも俺もお前も互いに世話の焼けるパートナーを持ってしまった様だ」

フレイモン「ははは、確かにな♪」

響・未来『ちょっと、フレイモン/ストラビモン! それ、どう言う意味なの!?』


フレイモンとストラビモンの世話の焼けるパートナーと言う単語に響と未来は心外だと言わんばかりに抗議の声を上げるのだった。


ガブモン「親友か……アグモン、どうしてるかなぁ……?」

セレナ「? ガブモンにも親友がいるんですか?」

ガブモン「うん。アグモンって言って、俺の幼馴染で親友なんだ♪ アグモンも俺もパートナーを探す為に、フレイモン達のように別々に行動してるんだ」

セレナ「そうだったんですね。ガブモンは私と出会えたけど、アグモンって子はパートナーを見つけられたんでしょうか?」

ガブモン「わからないけど、俺だってセレナと出会うことができたんだから、アグモンも今頃パートナーと出会えている筈さ。案外セレナのお姉さんがアグモンのパートナーだったりしてね♪」

セレナ「わぁ〜、そうだったら凄い嬉しいです♪」

ガブモン「うん、俺も♪」


セレナとガブモンは彼女達の予想通り、ガブモンの親友であるアグモンのパートナーがマリアであることを近い内に知ることになる。

一方、響や未来は互いのパートナーデジモンに対して自己紹介していた。


未来「小日向未来です。フレイモンだったよね? 響の面倒を見てくれて、ありがとう♪」

フレイモン「なに、気にすんなって。響は無茶ばかりでヒヤヒヤすることが多いけど、一緒にいて楽しい奴なのはわかるからな。これからもあいつのパートナーデジモンとして支えて行くさ♪」

未来「ふふっ、これから響のことよろしくね♪」

フレイモン「おう!♪」

響「私は立花響、未来の幼馴染で親友だよ。ストラビモン、ここに来るまで未来のことを守ってくれてありがとう♪」

ストラビモン「フッ、気にするな。パートナーデジモンとしての責務を全うしたまでだ」

響「おおっ、ストラビモンはクールなデジモンだね!♪」

未来「でも、凄い優しい子なんだよ♪」

フレイモン「ああ。友達想いで凄い良い奴なんだけど、照れ屋でそれを素直に出せないことが多いんだよ。所謂、ツンデレって奴だな♪」

ストラビモン「おいっ! 誰がツンデレだ!?///」

響「あははは! 何かストラビモンってクリスちゃんみたいだね♪」

未来「私も響と同じこと思ったけど、本人がいたら怒られるよ?」








クリス「えっくしぶッ! だ、誰がツンデレだあああ!?///」

ツナ「く、クリスさん、誰に怒ってるんですか?」

クリス「あ……悪い、誰かにツンデレキャラって言われたような気がして……大方、あのバカか後輩達、後は先輩辺りが噂してんだろうな、まったく……!///」

アンジュ「でも、あんたがツンデレキャラなのは間違って無いでしょ?」

クリス「はあっ!?///」

マリア「なるほど、愛されキャラにツンデレ要素は必要不可欠と言う訳ね」

クリス「ふざけんな!! あたしはツンデレじゃねえし、愛されキャラでもねえよ!! くそっ、先輩は兎も角、あのバカと後輩共は合流したらシバいてやるーーーーー!!///」








ゾクッ!

響「! あ、あれ? な、何か背筋に悪寒を感じたけど、気の所為かな……?」

未来「……案外クリスに勘づかれたりして?」

響「嘘おおおおっ!? またクリスちゃんにシバかれちゃうのおおっ!?」

フレイモン「あはは……そのストラビモンに似てるクリスって娘に会ってみたいなぁ♪」

ストラビモン「だから! 俺はツンデレじゃないと言ってるだろ!?///」


何はともあれ、響と再会することができた未来。

未来とストラビモンと言う新たな仲間の加入によって、響達が逸れた仲間達と合流する時が刻一刻と加速しつつあった……


To Be Continue…… 
 

 
後書き
ちょっと急いだ感になってしまいましたが、未来さん何とか響達と合流できました(^◇^;)

お気付きになった方もいらっしゃいますが、響と未来のパートナーデジモンのフレイモンとストラビモンのイメージCVはデジモンフロンティアの拓也と輝二と同じで、性格も2人に似ています^_^

次回はツナ・炎真・響の3チームの合流回、またはオリキャラの銀髪の少年とハックモン進化回のどちらかにしようと思います。

来年は読者の皆さんに楽しんで貰えるよう、より頑張って更新していきたいと思います^_^

今年1年X Dimensions SoldierSをご愛読いただきありがとうございます、来年もよろしくお願いします^_^ 
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