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頭お花畑

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第二章

「あの人達が何をしてくれたか」
「沢山の命を助けただろ」
「食いものだって出してな」
「毛布とか医療品も出したな」
「凄いことしただろ」
「だからそうした救助のものだけ用意してな」
 津田はやはり何でもない、ものごとを一切理解していないことがはっきりわかる顔と声で彼等に返した。
「兵器はいらないだろ」
「護衛艦がもの運んでもかよ」
「それも駄目かよ」
「輸送機がもの運んでも」
「それでも言うのか、お前」
「あのな、もの運ぶのだけならな」
 津田は表情も口調も変えず述べた。
「戦車とかいらないだろ」
「だから国防があるだろ」
「北朝鮮が何かしたらどうするんだ」
「一体な」
「国民は誰が守るんだ」
「それが九条が守るんだよ」
 まさにそれがというのだ。
「だから問題ないんだよ」
「お前人の話聞いてるか?」
「輸送機や護衛艦も沢山のもの運べるんだよ」
「食いものも医療品もな」
「全部な」
「それで多くの人助けてくれるし」
「国防だってあるんだぞ」
 誰もが津田に言った、しかし。
 それでもだ、津田は全くわからずそうしてだった。
 あくまで自衛隊無用論を言った、そして友人達が危険という北朝鮮についても平気な顔でこう言った。
「あそこが世襲制でもいいだろ」
「いや、お前日本の皇室反対だろ」
「前そう言ってたよな」
「それで硬質なくせって言ってるよな」
「それでもか」
「だってな、あっちの人達が支持しているからな」
 北朝鮮の人民達がというのだ。
「いいだろ」
「あそこにそんなのあるか」
「ある筈ないだろ」
「あそこは究極の独裁国家だぞ」
「言論の自由も何もないんだぞ」
「そんなの強制に決まってるだろ」
「見てわからないのかよ」 
 そのことがというのだ。
「あの国がどんな国か」
「それに支持してるって日本こそがだろ」
「日本国民が皇室支持してるだろ」
「だから存在していいだろ」
「お前が反対してもな」
「それでもな」
「世襲の君主制自体が間違ってるんだよ」
 津田はご飯を天麩羅の衣で食べつつ話した。
「世襲制は駄目だろ」
「じゃあ北朝鮮は何だよ」
「あの国完全に世襲だろ」
「共産主義でもな」
「共和国って言いつつだぞ」
「日本よりずっとおかしい国だろ」
「だからあっちの人民が支持しているからいいんだよ」
 あくまでこう言う津田だった、そして。
「民主主義は共和制か共産主義だな」
「待て、立憲君主制は何だ?」
「イギリスとか民主主義じゃないのか」
「それで日本もか」
「そうだっていうのかよ」
「ああ、日本も民主主義にならないとな」
 津田は今も平気な顔だった、だが。
 彼との会話を終えた友人達は彼との食事を終えた後で彼等だけで喫茶店に入ってコーヒーや紅茶を飲みながら話した。 
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