| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

DAY BREAK (オリキャラ登場)

ここはマグノリアのとある家

 

「いいとこみつかったなぁ!」

 

金髪の少女ルーシィは、お風呂に入りながらのんびりとしていた。

 

「7万Jの家賃にしては間取りもいいし収納スペースも多いし、真っ白な壁!ちょっとレトロな暖炉に!竈《いろり》までついてる!そして何より一番ステキなのは!」

 

ルーシィがお風呂からあがり、バスタオル姿で部屋の扉を開けると、

 

「よぉ!」

「あたしの部屋ー!!?」

 

ナツとハッピーが部屋を散らかしていた。

 

「なんであんた達がいるのよ!!」

 

ゴシャッ!!

 

「「まわっ!?」」

 

回し蹴りを、ナツとハッピーに全力でかますルーシィ

 

「だってミラから家が決まったって聞いたから...」

 

「聞いたら何!!?勝手に入ってきていいわけ!!?」

 

荒れているルーシィを横目に、ナツとハッピーは自由に部屋を見てまわっていた。そこに

 

 

ピンポーン!

 

「?」

「はーい」

 

インターホンの音が聞こえ、ルーシィが出る。

 

「よっ!ルーシィ!新しい家が決まったんだって?」

 

リートと、リートの肩に乗った薄い茶色の毛をしたネコが、ルーシィの家にやって来た。

 

「リート!...とそのネコちゃんは?」

 

リートの肩から飛び降りたネコは、丁寧にお辞儀をして挨拶をした。

 

「はじめまして、ルーシィ様、私リートと一緒に住んでいるラリカと申しますわ」

 

「まぁ、ナツとハッピーで言うところのハッピーみたいな立ち位置のやつだよ、怒ると超恐ぇけど...」

 

「まぁ、私をハッピーと同じ扱いだなんでリートったら...全身の皮を剥がされ天日干しにされたいのかしら?」

 

「発想が恐いんだけど!このネコちゃん!」

 

ルーシィがすかさずツッコむ。

 

「とりあえずあがっていいか?」

 

「あぁ、うん!ごめんねいつまでも外に出してると悪いもんね、上がって上がって」

 

そう言って、リートとラリカはルーシィの家に上がる。

 

「それはそうと、ルーシィはなんでバスタオル姿?」

 

「へっ?...キャーーー!」

 

自分がバスタオル姿であることを忘れていたルーシィは、慌てて着替えを取りに行った。

 

リートは家に上がったその足で!ルーシィの部屋に入る。

 

「おっ!?リート!ラリカ!」

「ラリカ~おはよう~」

 

「なんだ、ナツとハッピーも来ていたのか」

「ナツ、ハッピー、おはようございますですわ」

 

「コイツら不法侵入よ」

 

着替えを終わらせたルーシィが、リートの後ろに立っていた。

 

「はぁっ!?」

 

「まぁ、レディの部屋に無断で上がり込むなんて、タコ殴りにされ川に溺れさせたあと水死体として扱われても文句言えませんわよ」

 

「だから、恐ぇって...」

 

ナツとハッピーは体を震わせる

 

「そういえばあたし初めて会ったけどラリカちゃんは今までどこにいたの?」

 

「ん?あぁミラの家に泊まってたんだよ。コイツ、ミラと仲がいいからな」

 

「ミラにはお世話になりましたわ 楽しいお話しも聞けましたし、勿論ルーシィ様のことも伺っていますわよ」

 

「様なんてつけなくていいわよルーシィって呼んで」

 

「では、私もラリカでお願いしますわ♪ルーシィ」

 

にっこりと微笑みながら二人は話す

 

「それにしても...」

 

ルーシィがナツとハッピーを睨み付ける

 

「不法侵入のあんた達はモラルの欠如もほんといいとこだわ」

 

「おい...そりゃあキズつくぞ...」

 

「自業自得だ馬鹿」

 

「いい部屋だねー」

 

「爪を磨ぐな!猫科動物!」

 

ハッピーが、部屋の壁でガリガリと爪を磨いでいる

 

「まぁ、ハッピーったらレディの部屋で爪を磨ぐなんてミンチにされる覚悟はおありでして?」

 

笑っているラリカの後ろに般若が見える気がして、ハッピーは爪を磨ぐのを即座にやめた。

 

「あい!すいませんでしたぁ!」

 

「ん?なんだこれ?」

 

ナツは、机の上にある紙の束を見つけた。

 

「!?ダメーー!!」

 

ルーシィは、ナツから紙の束を奪い取り、恥ずかしそうに抱える。

 

「なんだよソレ?」

 

「なんでもいいでしょ!ってかもう帰ってよ!」

 

「やだよ遊びにきたんだし」

 

「超勝手!!」

 

 

・・・

 

 

「まだ、引っ越したばかりで家具も揃ってないのよ遊ぶものなんか何もないんだから紅茶飲んだら帰ってよね」

 

ルーシィはふてくされたようにそう言うと

 

「残忍なやつだな」

「あい」

 

「紅茶貰っておいて残忍って...」

 

「全く品のない人達ですわね」

 

ナツ達はまだ居座る気でいた

 

「あっ!そうだ!」

 

「ルーシィの持ってる鍵の奴ら全部見せてくれよ!」

 

「あっ、ソレは俺もちょっと見てみたい」

 

「嫌よ、すごく魔力を消耗するじゃない、ソレに鍵の奴らじゃなくて星霊よ」

 

「ルーシィは何人の星霊と契約してるの?」

 

「6体、星霊は1体2体って数えるのよ。こっちの銀色の鍵がお店で売ってるやつ

 

『時計座のホロロギウム

 

南十字座のクルックス

 

琴座のリラ』

 

そしてこっちの金色の鍵が、王道十二門っていう門を開ける超レアな鍵

『金牛宮のタウロス

 

宝瓶宮のアクエリアス

 

巨蟹宮のキャンサー』」

 

「巨蟹宮!?蟹か!」「カニー!」

 

カニと聞いて、ナツとハッピーのテンションは上がる。

 

「どこに食いついてんだお前らは...」

 

「私わたくし星霊魔導士と言うものを初めて見ましたわ」

 

「そういえばラリカには、一回も見せたことなかったわね、あっ!そーいえばハルジオンで買った子犬座のニコラ契約するのまだだったわ、せっかくラリカもいるし星霊魔導士が星霊と契約するところ特別に見せて上げる」

 

 

「「「「おぉ!!」」」」

 

 

星霊魔導士の契約と聞いて、4人は興奮する。

 

「血判とか押すのかな?」

 

「痛そうだなケツ」

 

「...なんで尻?」

 

「まぁレディの前でお尻だなんて、お下品ですわよナツ、リート、コンクリートに生き埋めにされる覚悟はおありでして?」

 

「悪かったから恐ろしいこと言うのやめてくれ」

 

ルーシィは鍵を取り出し準備する。

 

「血判とかはいらないのよ見てて」

 

「開け!子犬座の扉 ニコラ!!」

 

そして、光が現れ体が白く、ドリルのような鼻をした小さな星霊、ニコラが現れる

 

 

「プーン!」

 

 

「「「ど...ドンマイ」」」

 

「あら、かわいらしい♪でも失敗ですの?」

 

「失敗じゃないわよー!!」

 

「あぁん、かわいいー♪」

 

ルーシィは、ニコラを抱き上げて頬擦りする。

 

「そ、そうか?」

 

「かわいい...のか?」

 

「かわいくありませんの?」

 

「俺にはよくわからん」

 

ニコラは女性からは人気がある...らしい...

 

「ニコラはあまり魔力を使わないし、愛玩星霊として人気なのよ」

 

「ナツ〜、リ~ト~、人間のエゴが見えるよ〜」

 

「うむ」

「いや、うむじゃねぇよ」

 

「じゃあ契約に移るわよ」

 

「ププーン」

 

ルーシィはメモ帳を取り出す。

 

「月曜は?」

「プゥーゥン」

 

ニコラは首を横にふる

 

「火曜」

「プン」

 

ニコラは首を縦にふる

 

そこから水曜、木曜、と同じ事を繰り返し聞いていく

 

「地味だな」

 

「あい」

 

「確かにまぁ、思ってたのとは違った...」

 

「意外ですわね」

 

4人は、ただただソレを見ているしかなかった。

 

「はい!契約完了!」

 

どうやら契約が終了したらしい

 

「これで終わりか?ずいぶんと簡単なんだな」

 

「確かに見た目はそうだけど大切なことなのよ。星霊魔導士は契約、即ち約束ごとを重要視するの。だから私は絶対約束だけは破らないってね」

 

「へぇー」

 

「そうだ!名前決めてあげないと」

 

「ニコラじゃありませんの?」

 

「それは総称よ」

 

「!おいで、プルー!」

 

「「「「プルー?」」」」

 

「なんか語感がかわいいでしょ♪ねっプルー」

 

「プーン」

 

ハッピーはプルーを見ながら

 

「プルーは子犬座なのにワンワン鳴かないんだね変なのー」と言う

 

「ソレ言い出したら、お前やラリカもニャーニャー鳴かねぇだろ」

 

「リート...ハッピーと同じ扱いはやめてくださいまし、全身の穴に針を射し込みそのままギロチンの刑にしますわよ?」

 

「...すんません...」

 

プルーがルーシィの手から離れると、何かを伝えようとするのを見てナツが反応する。

 

「...プルー!!お前!いいやつだなぁ!」

 

「今のを見て何が伝わった?!!」

 

ナツはルーシィを見つめる。

 

「な、何よ?」

 

「お前、変な奴だけど頼れるしいい奴だ」

 

リートはソレを見ながら思った

 

(お前ほど変な奴はいねぇよ)

 

「よし決めた!ここにいるオレたちでチームを組もう!!」

 

「へぇー珍しくいい案出すじゃん」

 

「チーム?」

 

「あい!ギルドメンバーはみんな仲間だけど特に仲のいい人同士が集まってチームを結成するんだよ!一人じゃ難しい依頼もチームでやれば楽になれるしね!」

 

「つまり一番頼れる人達で組む、助け合いの関係ですわね」

 

「良いわねそれ!面白そう!!」

 

ルーシィもそれなりにノリ気のようだ。

 

「まぁ、俺も異論はねぇし賛成かな」

 

「おおおし!決定だー!」

 

「契約成立ね!」

 

「よろしくなお前ら」

 

チームが結成し、ナツは早速リートも誘う予定だった依頼を持ってきたと、依頼書を机に置いた。

 

「シロツメの町かぁ...聞いたことあるようなないような...」

 

「うそっ!?エバルー公爵って人の屋敷から本をとってくるだけで20万Jジュエル!!?」

 

「なっ?オイシー仕事だろ?」

 

その依頼を聞いて、リートが反応する。

 

「ん?オイ待て、その依頼ってたしか...」

 

依頼書には

 

 

*注意 とにかく女好きで変態!ただいま金髪のメイドさん募集中!

 

 

と、書かれていた。

 

「ルーシィ金髪だもんな!」

 

「だね!メイドの格好で忍び込んでもらおうよ!」

 

「それが狙いだったか....」

 

「クズですわね」

 

ナツとハッピーは嬉しそうに話しリートは頭を抱え、ラリカはゴミを見るような目でナツとハッピーを見ていた。

 

 

「ハメられたーー!!!」

 

 

「星霊魔導士は契約を大事にしてるのかぁ」

 

「騙すなんてサイテー!!メイドなんていやよー!」

 

「少しは練習しとけよ、ホレ...ハッピーにご主人様って言ってみろ」

 

 

「ネコにはいやぁぁ!!リート!助けてぇ!」

 

 

「諦めろ、俺にはどうにもできん」

 

「サイテーですわね」

 

ラリカは、ドン引きしていた…

 

・・・

 

行きの馬車にて

 

「乗り心地はどうですか?御主人様方」

 

 

 

「「冥土が見える...」」

 

 

 

その頃ギルドにて

 

「あれ?エバルー屋敷の一冊20万Jジュエルの仕事…誰かにとられちゃった?」

 

「ええ…ナツがルーシィとリート達を誘って行くってラリカもついていっちゃったわ」

 

ミラは少しだけ残念そうに言う

 

「あ~あ…迷ってたのになぁ…」

 

レビィはがっかりしながらギルドボードを見る。ミラは食器を片付けながらレビィと話す。

 

「レビィ…行かなくてよかったかもしれんぞい」

 

「あ!マスター」

 

「その仕事…ちとめんどうな事になってきた…たった今依頼主から連絡があってのう」

 

「キャンセルですか?」

 

ミラはマカロフに聞くが、マカロフは首を横に振る。

 

「いや…報酬を200万Jジュエルにつり上げる…だそうじゃ」

 

 

「10倍!?」

 

 

「本一冊で200万だと!?」

 

 

報酬の金額が10倍につり上がったことに、ギルドの全員は驚きを隠せないでいた。

 

「な、なぜ急にそんな…」

 

ギルドで騒いでいる中、グレイはニヤリと笑っていた

 

「面白そうな事になってきたな」

 

・・・

 

場所は戻って馬車の中

 

「言ってみればずいぶんと簡単な仕事よねー」

 

「あれ?嫌がってた割には結構ノリ気?」

 

「今回のメインで動いてもらうのはルーシィですからやる気があることはいいことですわ」

 

「トーゼン!なんたってあたしの初仕事だからね!!ビシッと決めるわよ!要は屋敷に潜入して本を一冊持ってくればいいだけでしょ?」

 

「スケベオヤジの屋敷にね」

 

「そう、スケベオヤジ」

 

「こう見えて色気には結構自信があるのよ」

 

「ネコにはちょっと判断できないです」

 

「ハッピー、こういうときは嘘でもステキですぐらい言ってごらんなさいな」

 

 

(なんかすごく馬鹿にされてる気がする...)

 

 

「いっとくけどこの仕事、あんた等やる事ないんだから報酬の取り分は6・1・1・1・1だからね」

 

「ルーシィ1でいいの?」

 

「まぁお優しい♪」

 

ハッピーとラリカは、ルーシィの取り分を1だと決めつけて会話を進めようとする。

 

「あたしが6よ!!」

 

ナツとリートがグロッキー状態で話しかける。

 

「ちょ...ちょっと待て...俺たちもやることが...ある...」

 

「おそらく...だけどな...」

 

「何よ?」

 

「捕まったら...」

「助けて...」

「やる...」

 

リート、ナツと交互に話す。

 

「そんなミスしません」

 

「つーか...助けて」

 

「あんたの助けてはhelpの意味だったんかい!」

 

ナツはそろそろ限界らしい

 

「魚釣りでもね、餌は無駄になることが多いんだよ」

 

「あたしは餌かい!!」

 

 

・・・

 

『シロツメの街』

 

「着いた!!」

 

「馬車には二度と乗らん」

 

「同じく」

 

「いつも言ってるよね」

 

「というか、まだ乗り物克服できてなかったのですのねお二人とも」

 

ナツ達は街を歩いていた

 

「とりあえずハラ減ったな、メシにしよメシ」

 

「その前に、ホテルかどっかで荷物置かねぇと」

 

「あたしお腹空いてないんだけど、あんた達は自分の火と氷食べれば?」

 

「とんでもねぇこと言うなルーシィは」

 

「全くだ」

 

「え?」

 

「お前は自分のプルーや牛食うのか?」

 

「食べないわよ!」

 

「それと同じなんだよ、俺やナツは自分で作った魔法は食べられない」

 

リートはルーシィに説明する

 

「そ...そう?」

 

「よーするに自分の作り出したのは食べれないってことね、めんどくさー」

 

「そうだ!あたしちょっとこの街見てくる、食事は4人でどーぞ」

 

そう言うと、ルーシィは街へと消えていく

 

「なんだよ...みんなで食ったほうが楽しいのに」

 

「まぁいいさ、ルーシィにも色々とあるんだろ?とりあえずどこか探そうぜ」

 

 

・・・

 

 

ガツガツガツガツ!

 

ナツ、リート、ハッピー、ラリカは4人で食事をしていた

 

「脂っこいのはルーシィのにとっておこうか!」

 

「ルーシィ脂っこいの好きそうだもんね」

 

「なんで脂っこいのだけなんだよ」

 

「そうですわよ、それに女性が脂っこいのが好きなんてほとんどあり得ませんわよ」

 

「そうよ、あたしがいつ脂っこいの好きになったのよ」

 

 

「おう!ルー…シィ?」

 

「遅かった…な?」

 

背後から声がしてナツとリートが振り返ると、メイド姿のルーシィが立っていた

 

「結局あたしってなに着ても似合っちゃうのよね、お食事はおすみですか?御主人様方、まだでしたらゆっくり召し上がって下さいね♪うふっ」

 

ノリ気なルーシィ

 

「どーしよぉ~!冗談で言ったのに本気にしてるよ~!!メイド作戦…!!」

 

「今さら冗談とは言えねえしな…こ、これでいくか」

 

「んなこったろうと思ったよ全く…」

 

「それにのせられるルーシィもなかなかですわね」

 

「聞こえてますが!!?」

 

 

・・・

 

 

食事を終えた一同は、依頼主の館に来て依頼主と会っていた

 

「ようこそ、よくお越し下さいました。私が依頼主のカービィ・メロンです」

 

「メロン!」

「うまそうな名前だな!」

 

「ナツ、失礼だぞ」

 

「そうよ!」

 

「アハハハ、よく言われるんですよ。それにしてもまさかあの有名なフェアリーテイルの魔導士さんに受けてもらえるとは・・・」

 

「そうか?こんなうめぇ仕事がよく残ってたと思うけどな」

 

「仕事の内容の割には、金額が金額なだけに何かあると皆考えてたんだよ」

 

「ナツとリートは火竜サラマンダーと氷竜セルシウスって呼ばれているんだよ」

 

ハッピーはナツとリートの紹介をすると

 

「おお!!あなた方があのフェアリーテイルの双竜でしたか!」

 

「知ってるんですか?」

 

「ええ、ソレはもう、お二方は有名人ですからね」

 

「なんか照れくさいな」

「カカカw」

 

「ええっとそちらの方は?」

 

「あたしもフェアリーテイルの魔導士です!!」

 

ジーっとカービィはルーシィを見ると

 

「その服装は趣味か何かで?」

 

「あたし、帰りたくなってきた」

 

「だから着替えろって言ったんだ」

 

話を戻そうと仕事の話をしましょう、とカービィは言い出す

 

「おっしゃ!」

「あい」

「そうだな」

「ですわね」

 

「私の依頼したいことはただ1つ。エバルー侯爵の持つ本、『日の出デイ・ブレイク』の破棄または焼失です」

「焼失?だったら家ごと燃やせばすぐ片付くな」

 

「あい」

 

「んなことしたらまた軍隊が来ちまってマスターが評議院から大目玉だぞ、下手すりゃお前も牢獄行きだし」

 

「なんでこんなにうちのチームはアホばっかりなんでしょう」

 

「けど、なんで本を廃棄するんですか?しかも報酬にそんな大金まで使って」

 

「んな事どうでもいーじゃねぇか、20万だぞ、20万」

 

「いいえ?成功報酬は200万Jお支払しますが?」

 

「はぁっ!?」

「200万!?」

「えぇ!?」

「マジか!」

「あいーー!?」

 

リート、ラリカ、ルーシィ、ナツ、ハッピーは驚愕した

 

「おや? 値上がったのを知らずにおいででしたか」

 

「聞いてねぇよ!」

 

「200万を5等分すると...うおぉぉぉっ!計算できん!」

 

「簡単です!オイラが50万!ナツが50万!リートが50万!ラリカが50万!残りはルーシィです!」

 

「頭いいな!ハッピー!」

 

「「残ら(ねぇ)(ないわ)よ!?」」

 

「やはり馬鹿ですわねあなた方!私わたくしが100万に決まっているでしょう!」

 

「「(俺)(あたし)らの取り分減ってる(じゃねぇか)(じゃないの)!」」

 

「まぁまぁ、皆さん落ち着いて」

 

「いや!この状況で跳ね上がった金額聞いて落ち着けるかぁ!」

 

「でも、なんで...急にそんな...200万に...」

 

「それだけ、どうしても、あの本を破棄したいのです。私は、あの本の存在が許せない...」

 

カービィはどこか悔いるように吐き捨てる。そして、ナツの頭が燃えて立ち上がり

 

「燃えてきたぁぁぁ!」

 

とリートとルーシィを引っ張って出ていきハッピーとラリカも追いかけていった。

 

そうしてリート達を見送るカービィの目は険しいものだった

 

 

・・・

 

 

『エバルー公爵邸』

 

「すいませーん!メイド募集のチラシを見て来ましたー!誰か居ませんか〜!」

 

ルーシィを一人門の前に立たせると、残り全員は近くの木に隠れて見張っていた。

 

「ルーシィー頑張れよー」

「ファイトですわよー」

「頑張れ〜」

「…不安」

 

ナツ、ラリカ、ハッピー、リートはそれぞれルーシィを見て危険がないか見張っていた。

 

「?何か聞こえる」

 

「何かって?」

 

リートが反応した次の瞬間、ルーシィの足元から何かが飛び出してくる。

 

それは、ゴリラのような体格をした、メイドだった。

 

「あなた、メイド募集の広告を読んで来たの?」

 

「は、はい!」

 

ルーシィが震えながら言うと、

 

「ご主人様!募集広告を見て来たそうですが!?」

 

メイドが大きな声でそう叫ぶ。

すると今度は、地面から変な髭の男エバルー公爵が飛び出してきた。

 

「なんで地面から出てこれんの?前世モグラなの?」

 

「もぐらなら西洋では土竜って書くからナツやリートと同じだね」

 

「嬉しくねぇ」

 

「ボヨヨーン!我輩を呼んだかね?」

 

(き、来たー!)

 

「ふむ、どれどれ~」

 

エバルーはルーシィを観察するように見る。

 

(と、鳥肌が・・・!頑張れ、私!)

 

ルーシィが我慢していると、突然エバルーが後ろを向き、ため息をつく

 

「いらん、帰れブス」

 

「ブ...!?」

 

「我輩の様な偉〜〜〜〜〜い男には…」

 

 その言葉を合図に、また地面から穴を作り人が出てきた。

 

「彼女たちの様な美しい娘しか似合わないのだよ」

 

現れた女性は、お世辞にも美しいとは言えない、モンスター級のブサイクが勢揃いだ。

 

 

 

(((((えーーーー!?)))))

 

 

 

・・・

 

「しくしく」

 

「使えねぇなぁ」

 

「違うのよ!!あのエバルーってやつの美的感覚がおかしかったのよ!!」

 

「言い訳だ」

 

「いや、でも流石にあれはエバルーって奴の方がおかしいって」

 

「そうですわね、私だったらあのエバルーって男の皮をひんむいて内蔵をくりぬき、火炙りにして豚男の丸焼きを作ってましたわ」

 

「だから発想が恐ぇって」

 

「リート~!ラリカ~!」

 

ルーシィはリートに抱きついて泣く

 

「どぅえきてるぅ~」

 

「できてないし巻き舌風に言うな」

 

「とにかく!こうなったからには作戦Tに変更だ!」

 

「作戦T?」

 

「突撃のTー」

 

「それは作戦とは言わねぇ」

 

「あの親父ぃ絶対許さん!」

 

ルーシィは先程の事もあり、怒り浸透中

 

一同は屋上から侵入することにした。

 

ルーシィはさっさと私服に着替え、ハッピーとラリカで往復してもらい3人を運び、屋上に降りる

 

「なんでこんなコソコソとしなきゃいけねぇんだよ、正面突破でぶっ飛ばせばいいのによー」

 

「当たり前でしょ!あたし達が今やってるのは泥棒と変わらないんだから」

 

「突撃して軍が動くよりは断然こっちの方がマシだしな」

 

ナツはふてくされているがリートとルーシィは突撃を許可しなかった。

 

「ルーシィだって絶対許さんとか言ってたのによー」

 

「ええっ!許さないわよ!だから本を燃やすついでにあいつの靴を隠してやるのよ!」

 

「うわっ、小っさ!」

 

「今時子供でもやらねぇぞ、そんなイジメ」

 

「まぁいいや、とにかく潜入するぞ」

 

「おう」

「あい」

「うん」

「はいですわ」

 

5人はエバルーの屋敷へ潜入していく

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧