八条学園騒動記
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第五百九十四話 正門にてその六
「普通の人は怒るな」
「絶対にね」
「そんな人の心がわからない奴はだ」
アルフレドはこのことは怒って言った。
「本当に生きている価値がない」
「そこまでの馬鹿だね」
「本気でそう思う」
「うん、馬鹿は馬鹿でもね」
「笑える馬鹿、愛される馬鹿がいてだ」
「生きてる資格のない馬鹿もいるね」
「この場合の馬鹿はそれだ」
生きる資格のない馬鹿だというのだ。
「まさにな」
「人の命の大事さや苦しみ、悲しみがわからないと」
「わかろうともしないならな」
それこそというのだ。
「最早だ」
「人間として最低というのもだ」
「まだ足りないね」
「本当に生きている資格もだ」
それすらもというのだ。
「ない位だ」
「他の人の痛みとか苦しみとか一回理解しないしするつもりもないんじゃね」
「何が人間だ」
「自分がされたらどう言うのかな」
そうした輩はとだ、ロミオは遠い目になって言った。
「一体」
「間違いなく自分だと怒る」
「そうなるよね、やっぱり」
「それこそ生き残ったら烈火の如く怒ってだ」
「お巡りさんや弁護士に言うよね」
「権力の側にもな」
「権力に反対するんならいいって言っていてね」
「そんな奴だ、本当にそんな馬鹿はだ」
アルフレドはこれ以上はないまでに軽蔑した顔で言った。
「生きている資格すらだ」
「ないよね」
「本当にそう思う、人間は生きているならな」
「人の痛みや苦しみ、悲しみをわからないとね」
「権力に反対する連中がテロをして殺された人や遺族の人達を前にそんなことを言ったらだ」
テロを行った連中は権力に反対している、だからこのテロはいい殺されたことは別にいい等と言えばというのだ。
「遺族の人達に何をされてもだ」
「文句を言えないね」
「人間そう思うとな」
「本当にだよね」
「権力に反対していてもしていなくてもな」
「テロはテロでね」
「悪は惡だ」
人を殺したことは罪だというのだ。
「それでそんなことを言う奴こそ自分がされるとだ」
「怒るね」
「そんな馬鹿は本当に生きている資格がない」
「その人生もね」
「有害なだけだ」
無意味などころか、というのだ。
「何でもそうした馬鹿を店員に雇った店があったそうだが」
「潰れたんだね」
「数年後潰れた」
「ああ、やっぱりね」
「その店員が仕事が出来たかどうかはともなくな」
「そんな馬鹿な店員を雇う位だとね」
「人を見る目がない」
そこまでの愚か者を自分の店に雇う様ならというのだ。
「他人の痛みや苦しみ、悲しみがわからず」
「わかろうともしないで」
「そして法律もなくていいと思うならな」
「もう、だよね」
「こんな馬鹿はいないが」
「そんなのを雇うとね」
「店の責任者の人を見る目も知れている」
アルフレドは穿き捨てる様に言い切った。
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