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八条学園騒動記

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第五百九十四話 正門にてその四

「もうね」
「それこそだな」
「警護の人がいなかったら」
「普通に殺されるな」
「そんな奴もいるしね」
「刃物でなく拳銃の場合もある」
 テロリストでなくてもというのだ。
「そうした輩も世の中はいるのにだ」
「立場のある人が警護つけないとね」
「本当にだ」
 まさにというのだ。
「犠牲者が出る」
「そうなるわね」
「だからだ」
 それでというのだ。
「本当にいいことをしているから警護は無用」
「皆がいい人だってわかっているから」
「そんなことはだ」
 それこそというのだ。
「馬鹿な主張だ」
「そうなるわね」
「そしてテロリストを権力に反対するからいい」
「そうしたこと言う人いるわね」
「犠牲者の人達のことを考えろ」
 アルフレドは静かな怒りを見せた、そうしてこれ以上はないまでの軽蔑を以てそのうえで言うのだった。
「そもそもな」
「権力に反対する人が何をしてもいいのか」
「そんな筈がないな」
「そんな奴はこう言っている」
 テロは権力に反対するからいいという主張を言う輩はというのだ。
「俺は人の命も悲しみも一切理解しないし理解するつもりもない」
「テロの犠牲者の人達のことね」
「そして法律も必要ないと思っている」
「そう聞くと本当の馬鹿ね」
「これ以上はないまでな」
「そこまで馬鹿だとね」
 どうかとだ、ビアンカは言った。
「生きていても仕方ないわね」
「まともな親御さんだったら泣くな」
「そうよね」
「自分の子供はここまで愚かなのか」
 そう思ってというのだ。
「そして自分達はここまで愚かな人間を育てたのか」
「嫌になるわね」
「そうなる」
「そこまでの馬鹿よね」
「法律が何かをわからず」
 そしてというのだ。
「殺された人の命、傷付いた人達の痛み、遺族の人達の苦しみや悲しみをだ」
「理解しないし理解しようとも思わない」
「そんな奴はな」
「生きていること自体が駄目ね」
「世の中そんな奴もいる」
「そこまでの馬鹿が」
「実際にいてだ」 
 そしてというのだ。
「この世にいる」
「残念なことね」
「そしてテロリストもいる」
「だから警護は必要ね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「社会に絶対にな」
「そういうことね」
「若し自然に生きたいならいい」
「自然に帰れ、ね」
「ルソーみたいに生きるのならいいがな」
 完全に野生の状態で生きるのならというのだ。
「それならな、しかしだ」
「それが嫌ならね」
「もうだ」
 それこそというのだ。
「法律も警察もだ」
「必要でね」
「テロへの備えもな」
「やっぱり必要ね」
「さもないと取り返しのつかないことになる」
「厳重に警備していてもなる時はなるからね」
 ロミオは難しい顔で言った。 
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