恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十三話 孔明、司馬尉を警戒するのことその五
「仲良くとかした方が」
「少なくとも対立とかはしないから」
「それはしませんわ」
「何進大将軍は信任されていたし」
「向こうも何もしてきませんし」
少なくとも対立は避けているというのだ。二人は。
それを話してだった。再びだった。
「まあとにかくね」
「気になることはなりますわ」
「ううん、皆同じこと言うわね」
劉備は二人の話から孔明達の話を思い出した。そのうえで、であった。
話を戻した。その出兵のことだ。
「それならね」
「ええ、山賊の討伐ね」
「それに行ってもらいますわ」
こうしてだった。山賊退治自体は決まったのだった。
こうして司馬尉は兵達を率いてだ。擁州の山賊退治に赴いた。その目付けとしてだ。
曹仁と曹洪、それに田豊と沮授がついた。表向きは将、軍師である。
だが彼女達はだ。怪訝な顔であれこれと話すのだった。
「大丈夫かしら」
「ううん、司馬尉って兵を率いたことはなかったわよね」
「軍師としては参戦してたけれどね」
「それはなかったわよね」
こうだ。曹仁と曹洪が話す。
「じゃあこの戦いは」
「不安ね」
「まあ。将として貴女達がいて」
「軍師として私達がいるから」
田豊と沮授がここで二人に話す。
「相手も普通の山賊だから」
「特に不安に感じることはないんじゃ」
「そうね。私達はあの娘がどうなのか見るだけだし」
「実質的に戦ってね」
そのうえでだ。司馬尉を見るというのだ。
こうしてだった。彼女達は司馬尉を見る。今のところは。
特におかしなところはなかった。しかしだ。
急にだ。首をだ。
真後ろまで回してみせる。それに対してはだ。
曹仁達も引いた。そのことも話すのだった。
「何度見てもあれは」
「ちょっと怖いわよね」
「ええ、慣れないわよね」
「どうしても」
それはなのだった。首が背中の方まで回るのはだ。
何度見ても慣れないと話すのだった。
「梟とか狼みたいな」
「そんな感じよね」
「おい、それってやばいぞ」
二人の話を聞いてだ。ビリーが言った。彼等も同行しているのだ。
「梟とか狼っていうとな」
「剣呑な動物っていうのね」
「そうだっていうのね」
「ああ、そんな感じだからな」
それでだというのだ。ビリーは。
「只でさえ胡散臭い奴だってのにな」
「ああした奴が一番危ないんだよな」
マイケルは腕を組んで難しい顔で話す。
「裏で相当なことをするぜ」
「裏ね。その裏がわからないのよ」
「本当に全然」
田豊と沮授も言うのだった。
「わかるでしょ。警護が固いし」
「周りにはいつもあれだけ兵がいるし」
「会いに行くのにも何度も細かく調べられるし」
「調べるなんてとてもね」
「俺達にしてもな」
ダックも首を捻りながら話す。
「忍び込むことさえできないしな」
「あの兵にしてもじゃ」
タンは兵達について話した。
「普通の兵ではないな」
「ああ、剣呑なことこの上ないぜ」
「只者ではない者達ばかりだ」
ビリーだけでなくリチャードも話す。
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