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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十三話 孔明、司馬尉を警戒するのことその三

「一つ考えてみるわね」
「はい、それではどうされますか?」
「一体」
「ちょっと調べてみて」
 こう孔明と鳳統に話す。
「司馬尉ちゃんのこと」
「はい、それではです」
「そうします」
 二人の軍師も応えてだ。こうしてだった。
 司馬尉について調べられることになった。しかしだった。
 わかったことはだ。何もなかった。
「あれ、何も?」
「はい、これまでわかっていることだけです」
「名門出身で嫡流であることだけです」
「その他には何も」
「わかりませんでした」
「じゃあ怪しいところはないのかしら」
 劉備は首を傾げさせながら述べた。
「あの娘は」
「いえ、やはりそれはありません」
「間違いなくです」
 孔明と鳳統はそのことは確信していた。
「あの人には恐ろしい秘密があります」
「そのことは確実です」
「はい、そうです」
 その通りだとだ。徐庶も話す。
「ですからこれからも」
「調べていくのね」
「ただね。どうもね」
 舞が困った顔で劉備に話してきた。
「あの娘ガード固いわよ」
「ガード?」
「身辺警護のことよ」
 劉備はガードという言葉を知らない。舞達の時代の話だからだ。
 それでだ。舞はわかりやすく話した。
「それが尋常じゃないのよ」
「そんなに凄いの」
「もうね。いつもあの娘の兵達が護衛についていて」
「お家の兵隊さんが?」
「そう、もう何重にも囲んでいてね」
 その彼等が護衛をしているというのだ。
「屋敷なんて要塞みたいだし」
「ああ、あれな」
 二階堂もその舞の言葉に応えて話す。
「壁は高いし堀は深いしでな」
「この時代で言うと砦よね」
 そこまでだとだ。舞はまた話した。
「あの警護じゃね」
「本当に蟻一匹入られへんで」
 そうだとだ。ロバートも話す。
「あんなのどうすればええんや」
「そうなのよ。とにかく入られないのよ」
 舞はまた困った顔で話す。
「屋敷にも。その周りにもね」
「今忍者の人結構多いですよね」
 慎吾も首を捻っている。
「どなたも駄目なんですか」
「だから。警護は厳し過ぎて」
 舞は話していく。その困っている顔で。
「どうしようもないのよ」
「書を調べてもです」
 孔明も話す。彼女も困った顔で。
「わかることは表立ったことだけで」
「肝心なことは全くです」
 鳳統も話していく。
「謎だらけの人です」
「というか謎しかないみたいなのだ」
 張飛はこう言い切った。
「名門であそこまで知られた奴なのにおかしいのだ」
「っていうか三公だよな」
 馬超もこのことを話す。
 
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