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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十八話 クリスマスのはじまりその三

「朝ご飯はこうしたお米で」
「それで、でしたね」
「夜はローストチキンにケーキにワインでした」
「要は楽しめばいいのです」
「クリスマスを」
「私はそう考えています」
「そういうことですね」
 裕子さんは納得して笑顔になった。
「では茶粥も」
「ご堪能下さい」
「それでは」
「茶粥はいいですよね」
 円香さんはその茶粥を食べつつ言ってきた。
「お粥の中でも一番好きです」
「そうなのですか」
「奈良の名物で」
 それでというのだ。
「非常に優しい味なので」
「だからですね」
「大好きです」
 奈良で生まれ育った人ならではの言葉だった。
「まことに」
「それは何よりです」
「ですが手間がかかるので」
 小野さんの言われる通りにだ。
「朝にはあまりです」
「召し上がられませんでしたか」
「はい、大抵はご飯でした」
「そちらですね」
「そちらも美味しいですが朝のお粥は」
「やはり何よりもですね」
「代え難いご馳走ですから」
 それでというのだ。
「中々」
「本当にお粥はご馳走です」
 畑中さんも言ってくれた。
「手間がかかる、これはです」
「ご馳走の証ですね」
「はい、お粥がご馳走でないと言う人は」
 円香さんにも話した。
「ご馳走が何かをご存知でない」
「そうした人ですね」
「そう思います」
「お金のことではないですね」
「お粥はお金はあまりかかりません」
 おおむねだ、そうした意味では質素だ。実際にお粥イコールお金のない人の食事というイメージもある。
「ですが手間がかかります」
「作るにあたって」
「その手間のことを考えますと」
「お粥はご馳走ですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「私はそう考えます」
「そうですね」
「嬉しいことに八条荘の方は皆さんこのことをわかっておられます」
「というかね」
 ダオさんも言ってきた。
「お米のお粥もオートミールもね」
「大麦のお粥ですね」
「そっちもね」
 西洋のお粥もというのだ、僕はこちらも好きだ。
「やっぱりね」
「手間がかかりますね」
「自分で作ったらよ」
 お粥、それをというのだ。
「どれだけ大変か」
「このことはですね」
「もうわかるから」
 それでというのだ。
「お料理をしたことがない人じゃないと」
「言えないことですか」
「ダオはそう思うわ」
 こう畑中さんにお話した。
「ベトナムでも粥あるしね」
「それでダオ様もですね」
「お母さんを手伝って作ってたから」
 ベトナムにいた時にというのだ。 
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