夢幻水滸伝
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第百八十一話 世界を脅かすものその五
「そうしてだ」
「エカチェリーナちゃん達とやってるわ」
「だが人が少ないことは確かだ」
「神星の人三人とうち等二人だけやからな」
「実質は」
「技術は僕で」
チェッチェフはそちらの話をした、言葉の訛りは津軽弁だ。
「一人でやってるだ」
「諜報は私がやってるとよ」
ラクシュミーも言ってきた。
「そっちは一人でやってるたい」
「外交はわしばい」
チャンダルも自分の仕事を言ってきた。
「やっぱり一人ばい」
「それで極東とシベリアの軍事は僕でや」
難波は今度はアイスクリームを食べながら言った。
「他にはドフトエフスキー君やヴァイド君達もやで」
「おめえさん達はあれだな」
幸田は難波達の話を聞いてこう言った、言いつつざるそばを食べるがその食べる勢いは実に威勢がよく江戸っ子らしさが出ている。
「それぞれの分野専属なんだな」
「そや、軍事は軍事でな」
「内政は内政ってことだな」
「それぞれやってるで」
「おいら達はほぼ全員内政も軍事も外交もやってるけどな」
「もう何でも屋やな」
「星の奴はな」
そうだというのだ。
「忙しいところ、困っているところにな」
「入ってやな」
「それで全員でやってくことになってるぜ」
「そやな」
「それぞれの大臣は決めるけれどな」
それでもというのだ。
「言うなら元老だからな」
「あれやな、明治維新からの」
「おう、星の奴はそうした立場になるからな」
「何でも屋やな」
「権限が大きくてな」
そしてというのだ。
「そのうえでってやつだ」
「そういうことやな」
「おう、おめえさん達とそこが違うな」
「そういうことやな」
「こっちは九十五億の民とあっちの世界の八割の領土を治めてる」
幸田は今度はこのことを話した。
「海も浮島も相当持っている」
「それだけにやな」
「もうおいら達は何でも屋で」
難波の言う通りその立場でというのだ。
「やってくぜ」
「自分等も大変やな」
「おう、しかし星の奴が百八十五人だ」
「一番多いな」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「その数でやってくぜ」
「こっちは十七億位の民で星のモンは十五人や」
「それで役割分担してるな」
「そうなってる、まあ勢力はうちの方は小さいな」
難波はこのことを自分から認めた。
「遥かにな」
「それを認めても負けるって顔をしてねえな」
「当然や、戦になって勝つのは僕等や」
「星の奴の数でも国力でも圧倒的に小さくてもかい」
「そういう自分も油断はしてへんな」
「あたりめえだろ、相手を馬鹿にするなんてな」
それこそとだ、幸田は難波に返した。
「馬鹿野郎のすることでい」
「そこで負けるさかいな」
「本当に出来る奴ってのは相手を馬鹿にしなくてな」
「油断もせんな」
「そうでい」
まさにというのだ。
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