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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百九十七話 終業式が終わってその十

「それに気付かないならな」
「余計にだね」
「馬鹿になる、俺はお前にそんな馬鹿になって欲しくなくてな」
「それでなんだね」
「こうしたことは教えたんだよ」
「そうなんだね」
「実際こんな馬鹿になりたくないだろ」 
 本当にまともな親御さん達なら泣くまでに愚かだ、こんな愚かな人を育ててしかも自分達の子供ならだ。
「そうだろ」
「何があってもね」
「だからな」
「こうしたことはだね」
「教えたからな」
 しっかりと、というのだ。
「俺も母さんもな」
「お袋もだね」
「多少やんちゃでもいいんだ」
 親父が言うと説得力があった。
「けれどな」
「それでもだね」
「人として最低限のものはな」
「持っていないと駄目だね」
「今話した馬鹿にはないだろ」
「殺された人の痛みも苦しみも遺族の人達の悲しみもわからないわかろうとしないなんてね」 
 権力に反対するなら何をしてもいいというのももっての他だ。
「もうね」
「そうした奴になって欲しくないからな」
 それでというのだ。
「だからだよ」
「そう言ったんだ」
「ああ」
 実際にというのだ。
「本当にな」
「そうなんだね」
「だから教えたんだ」
「そうだったんだね」
「実際そいつを雇った店は潰れたからな」
「親会社ごとだね」
「ああ、ここまでの馬鹿を雇う位だからな」
 そうした企業だったからだというのだ。
「潰れたんだよ」
「よくない人を雇うお店や会社はだね」
「それだけでやばいからな」
「そうなんだね」
「ああ、ちなみにその馬鹿がどうなったかはな」
「親父は知らないんだ」
「正直そこまでの馬鹿はなおらないからな」
 俗にこうした人はそう言われるというのは僕も知っている。これは自分のことに気付かないし反省もしないからだろう。
「どうしようもないからな」
「どうなっていてもだね」
「人様に害をかけているなら別だが」
 その場合はというのだ。
「そうでなかったらな」
「普通に生きていたら」
「普通に生きれないだろうけれどな」
 あまりにも愚か過ぎてというのだ。
「それでもな」
「別に誰に迷惑をかけてもいなかったら」
「それでいいさ」
「そうなんだね」
「正直野垂れ死んでいてもな」
 それでもというのだ。
「別にな」
「いいんだ」
「ああ」
 実際にというのだ。
「本当にな」
「そうなんだ」
「ああ、患者で来たら助けるさ」
 その場合はというのだ。
「俺の出来ることでな」
「何か感謝されそうにないね」
 そこまで愚かな人だと恩義も感じないかも知れないからだ。 
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