| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

幾ら何でも無理

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

「現実として」
「それじゃあネットで調べるわね」
「確かに現地に行くのは本格的で真面目だよ」
 このことはいいとだ、篤志も認めた。
「けれどね」
「現実には出来ないのね」
「無理だよ」
「そうなのね」
「出来る範囲でね」
 それでというのだ。
「真面目にすればいいよ」
「そういうことね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのだ。
「ここはネットで調べてね」
「勉強して」
「レポートも書こうね」
「わかったわ、それじゃあね」
「これからね」
 二人でこう話してだった、楓は教科書やノートだけでなくだった。
 篤志と共にネットでも調べて勉強してレポートも書いた、レポートもテストもかなりの成績であった。
 このことはよかった、だが篤志はテストもレポートも終わってから言った。
「真面目はやっぱりいいけれど」
「京都に行くって言ったことは」
「現実的にはね」
 どうしてもというのだ。
「どうかってなるから」
「それでなのね」
「真面目なことはね」
「出来る範囲でってことね」
「そう、だからね」
「その中でやっていくことね」
「そうあるべきだよ」
 こう楓に話した。
「やっぱりね」
「そういうことね」
「うん、これからもね」
「そのことは頭に入れて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「やっていこうね」
「何でもよね」
「うん、勉強のこと以外もね」
「そうなのね、じゃあね」
「じゃあ?」
「セックスのことも」
「えっ、今何て」
 篤志は楓の今の言葉に固まった。
 そして目を瞬かせて楓に尋ねた。
「今何て言ったのかな」
「だからセックスって」
「あの、セックスって」
「恋人同士ならするのよね、最近は高校生でも結婚前でも」
「そうした人もいるかも知れないけれど」
「だからね」
 それでというのだ。
「私今勉強してるから」
「セックスのことを」
「四十八手とかテクニックのこととか」
「四十八手って」
「コスプレとかSMとかね。けれど私痛くするのもされるのも苦手だから」
「いや、僕達キスも手をつないだこともないよ」
 篤志は楓に狼狽しきった顔で返した。
「だからね」
「セックスはなの」
「まだまだ先だよ」
 そうした話だというのだ。
「それはね」
「そうなの」
「というかセックスってそんなことは」
「駄目かしら」
「あまりにも早過ぎるよ」
「そうかしら」
「高校生だからね」
 自分達はというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧