雑種が何だ
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第三章
マロンと早速仲良くなって身体を擦り合わせている、マロンもそうだが吠える素振りは全くない。それを見て言った。
「そうですね」
「他の犬にもさ」
「こうなんですね」
「ああ、だからな」
「本当にいい娘ですか」
「そうなんだよ、これがさ」
「それでお名前は」
彩菜から問うた。
「何ていうんですか?」
「ソフィアさ、あたしはハナコって名付けようと思ったけれど」
それがというのだ。
「旦那が名付けたんだよ」
「そうですか」
「ハナコなんてセンスがないって言われたよ」
静はその口を大きく開けて笑って話した。
「それでだよ」
「ソフィアちゃんですか」
「旦那が名付けたんだよ」
そうなったというのだ。
「本当にな」
「そうですか」
「まあソフィアの方がいいか、こいつもな」
「ワン」
その犬ソフィアも鳴いて応えた、尻尾をぱたぱたとさせて。
「気に入っているみたいだしな」
「その名前に」
「だからいいか」
こう言うのだった。
「それならな、じゃあまたな」
静は煙草を消して持っている灰皿の中に入れてから彩菜に話した。
「あたし家に帰るから」
「はい、また」
「あと旦那に煙草吸ってるのは内緒な」
彩菜にこうも言ってきた。
「あまり吸うなって言われてるんだよ」
「身体に悪いからですか」
「止めようと思っていてもな」
それがというのだ。
「中々なんだよ」
「煙草ってそうだっていいますね」
「ああ、これでも止めようって思ってるし」
それでというのだ。
「旦那にはな」
「わかりました」
「それじゃあまたな」
静はまた挨拶をしてだった。
彩菜と別れて自宅に帰った、彩菜は暫く歩いてそうして家に帰った。そのうえで朝食の時に母にその話をすると。
母は父を送り出してからこう言った。
「そうなのね、あのお家にワンちゃんいるのは知ってたけれど」
「そうだったの」
「ええ、けれど毛並みがよくて顔立ちも奇麗でね」
「全体的にゴージャスな感じよね」
「そんな子だったからね」
それでというのだ。
「まさか雑種だったなんてね」
「思わなかったの」
「ええ、しかも一億円プレーヤーのお家にいるから」
このこともあってというのだ。
「もうね」
「雑種じゃなくて」
「それこそ血統書付きのね」
そうしたというのだ。
「ワンちゃんだと思っていたわ」
「そうだったのね」
「ええ、だから今お話聞いてね」
母は味噌汁を飲みながら言った。
「思わなかったわ」
「私もそう言われたら」
彩菜もこう言った。
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