夢幻水滸伝
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第百七十四話 中国の者達その九
「関西はな」
「本場やないですね」
「あるけどな」
メニューとして存在してはいるというのだ。
「けどな」
「それでもですか」
「やっぱりそうした拉麺の本場はな」
「北海道ですか」
「脂っけの多いな」
「それでこのラーメンは」
白は豚骨ラーメンを食べている、白いスープの中に細めの麺がある、その匂いも非常に食欲を刺激する。
「九州ですね」
「豚骨はな」
「そうですね」
「博多や」
九州の中でもこちらだというのだ。
「もうそこのや」
「名物で」
「あそこでラーメンっていうたらな」
「この豚骨ラーメンですね」
「細い麺でな」
そしてとだ、中里はさらに話した。
「紅生姜も入る」
「その薬味もええですね」
「そやろ、ほんまにな」
「九州、博多はそれですね」
「ラーメンはな、あとな」
中里は白にさらに話した。
「このラーメンは美鈴ちゃんがめっちゃうるさいからな」
「こだわりありますか」
「あの娘は福岡出身やからな」
それだけにというのだ。
「もうラーメンはな」
「これですか」
「それやないとな」
それこそというのだ。
「食べた気がせんともな」
「言うてますか」
「そこまでこだわりがあるねん」
「そうですか」
「ああ、純奈ちゃんも豚骨派やしな」
熊本出身の彼女もというのだ。
「あと雪路ちゃんはちゃんぽんが好きや」
「長崎ちゃんぽんですね」
花華はちゃんぽんと聞いてすぐに言ってきた。
「あれですね」
「そや、こっちは太い麺でな」
博多のラーメンの麺が細いのに対してだ、同じ豚骨スープでも麺がそれぞれ違っているのだ。言うまでもなく長崎名物だ。
「お野菜やお肉がな」
「魚介類、蒲鉾とかもですね」
「どっさり乗せてるやろ」
「あれも美味しいですね」
「このお店でも売ってるしな」
見ればメニューにある。
「それも食べたらええ」
「ほな」
「ただ」
美蓮はここでどうかという顔になって話した。
「中国にはです」
「長崎ちゃんぽんはないな」
「中華街にもありますけど」
長崎のそこにだ。
「けど」
「あれも日本料理やな」
「ラーメンと同じで」
「そやな」
「美味しいことは事実ですけど」
それでもというのだ。
「あれはです」
「あくまでやな」
「日本のお料理です」
中国人としての言葉だった。
「ほんまに」
「そうやな」
「あとです」
残はラーメンの店の横の餃子の店を見つつ中里に話した。
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