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夢幻水滸伝

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第百七十一話 統一成るその十一

「今回は」
「ここまで来てやな」
「それで戦ってね、帰りも大変だけれど」
 それでもというのだ。
「まずはね」
「兵達を返してやな」
「そのうえでね」
「日本に皆集まろうな」
「そうしましょうね」
「それで詳しい話をしような」
 中里はアレンカールに微笑んで話した、そしてだった。
 アレンカールは実際に兵達に撤退を命じ彼自身戦場を後にした、これで日本は完全に勝利をその手に収めた。
 その時に綾乃と芥川が中里のところに来て言ってきた。
「これでやね」
「統一は成ったな」
「何度も激しい戦したけど」
「これで決まったわ」
「ああ、そのつもりやったけど」
 それでもとだ、中里は二人に応えて述べた。
「一番勢力の小さな日本が統一するなんてな」
「番狂わせや」
 芥川は笑って話した。
「まさにな」
「殆ど誰も想像もせんかったな」
「そうした状況やったが」
「僕等はやったな」
「そや」
 中里への返事は笑顔でのものだった。
「ほんまにな」
「そやな」
「皆驚いてるわ、ただな」
「問題はこれからやね」
 綾乃はいつもの微笑んだ表情だが口調はやや強くさせて述べた。
「むしろ」
「そや、戦の後はや」
「政やね」
「戦は言うなら序曲や」
「歌劇で言うと」
「それも十五時間はある大作のな」
 芥川は綾乃に笑って述べた。
「その作品のや」
「序曲やね」
「そんなところや」
「ほんまに大事で大変なんか」
「統一した広大な国土と九十五億の民をどう治めるか」
「そして世界自体を統一して」
「この世界を救うからな」
 そうした目標があるからだというのだ。
「そやからな」
「これまでの戦はほんまにやね」
「序曲や」
 それに過ぎないというのだ。
「それや」
「そやね」
「何度も自分達より遥かに強大な相手を降してきたけどな」
 それがあまりにも激しい戦の連続だったがというのだ。
「それでもな」
「それはまだはじまりで」
「これからや」
「まずは政やな」
 中里も言ってきた。
「統一したからには」
「そやね、ほんまに広大な地域と大勢の民をどう治めるか」
 綾乃は中里にも応えて話した。
「そのことを考えたら」
「大変やな」
「実際にな」
「そやからね」
 だからだというのだ。
「戦に勝ったけど」
「すぐにやな」
「政に入るで」
「そうなるな」
「まずは都に戻って」
 山城のそこにというのだ。
「そうしてやね」
「まずは政の仕組みを整えることになるな」
「それはもう太宰君が殆ど考えてるから。人選も含めて」
「ほなやな」
「今すぐにでもそれを発表して」
 そうしてというのだ。 
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