夢幻水滸伝
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第百七十話 近付く統一その八
「しっかりと一騎打ちに向かってくれたからな」
「皆勝てたね」
「幾ら相性がええ相手でもな」
「体調が悪いと負けるで」
「そや、もう風邪とかひいてたら」
つまり体調が悪ければというのだ。
「ほんまにな」
「その時点でやね」
「負けてたわ」
まさにというのだ。
「相手も強いからな」
「相性がよくても」
「そや、相性とや」
「体調やね」
「戦はそれが大事や」
一騎打ちだけでないというのだ、このことは。
「それで皆しっかりやってくれたしな」
「勝てたんやね」
「これまでな、ほんまにな」
まさにというのだ。
「日本は勝ってきたにしてもな」
「全部少しでも間違いがあったら」
「都合の悪い事態が突然起こってもな」
そうしたことが起こればというのだ。
「それでな」
「負けてたね」
「こっちがな」
「やっぱり兵の数が少ないってことは」
「かなりのハンデや」
戦においてそうだというのだ。
「これ以上はないまでにな」
「日本はそれで苦労してきたわ」
綾乃も実感していた、その日本の棟梁だけにだ。
「いつもどないしよかで」
「こっちはダントツで兵の数が少なかったさかいな」
「相手は普通に何百万でこっちは六十万」
「それやったらな」
最早という口調でだ、芥川は話した。
「苦労するのも当然や」
「実際うち等以外誰も日本がここまで残るって思ってなかったみたいやしな」
「それも全部の勢力と戦ってな」
「ほんまにそれはやね」
「僕等以外に誰が思う、けどな」
「統一した後は」
「この世界で最大勢力になるんや」
世界の八割を領有し最も技術的に進んだ勢力にというのだ。
「産業も文化も栄えてるな」
「そうした国なるから」
「ほんまにな」
まさにというのだ。
「これからは大勢力としてな」
「どう戦うかやね」
「そうした話になるわ」
「そういうことやね」
「大勢力はそれだけで楽や」
芥川はこのことを話した、この世界においても大勢力であることはそれだけで有利な面が非常に多いのだ。
「そのことを踏まえてな」
「やってくんやね」
「さしあたっては枢軸と戦う前に」
「内政やね」
「そうなるわ、そしてな」
「内政が整ってやね」
「攻めるんや」
枢軸との戦に入るというのだ。
「そういうことやで」
「そやねんね」
「ほなな」
「今はやね」
「綾乃ちゃんはこれまで通り敵軍を攻めてもらうで」
こう綾乃に話した。
「僕は軍勢の采配執るさかいな」
「そのことお願いするで」
「任せるんや、ほなな」
「これからやね」
「勝つで」
こう言ってだった。
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