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夢幻水滸伝

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第百六十九話 適時投入その五

「ここはな」
「戦ってもらうな」
「思う存分な」
 こう言った時にだった。
 有島が貝殻から芥川に言ってきた。
「ビークの兄さんに勝ちやした」
「おお、そうか」
「はい、兄さんは下がりました」
「よし、ほなな」
「軍勢同士の戦にですね」
「入ってもらうで」
 こう有島に告げた。
「そうしてもらうで」
「わかりやした」
「自分は第十一師団を率いて」 
 戦局を見て述べた。
「正面からの攻撃に入ってもらうで」
「そうしてですね」
「攻めてもらうで、思いきり」
「なら」
「よし、また頼りになる戦力が入った」
 芥川は会心の声で言った。
「それでや」
「ここはやな」
「有島にも戦ってもらう」 
 こう狐に話した。
「ここはな」
「ほなな」
「これで五人、ええ感じや」
「全くやな」
 狐も満足している感じで頷いて応える。
「五人参戦してくれたらな」
「それだけでも全然ちゃう」
「ほんまそやな」
「それで五人よりも六人でな」
 芥川はさらに言った。
「そしてや」
「六人よりもやな」
「そうなる、そやからな」
「一騎打ちに勝った人はやな」
「どんどん参戦してもらう」
「そして戦局を有利にするな」
「そや、星のモンは一人一人が戦略兵器」 
 芥川は自分達の世界にある核兵器の威力から話した、星の者は誰もがそこまでの力があるというのだ。
「その兵器が何十人もおるとな」
「兵力の差も覆せるな」
「日本はこれまでもそうして勝ってきたしな」
「今回もやな」
「そや、軍勢が少ないとな」
「星の人でどう戦うか」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「これまでもそうしてきたしな」
「ほな一騎打ちに勝った人は」
「どんどん戦場に出てもらうわ」
 こう言ってだった、芥川は実際に一騎打ちに勝った星の者は早速軍勢同士の戦に軍勢を率いさせてその神具でも戦わせた、そうしてだった。
 戦局を徐々に自分達の方に傾けていっていた、その中で。
 井伏はインファンテの一瞬の隙を衝いて突進しその身体を掴んだ、そうして投げ飛ばしてから彼に言った。
「これで勝ちじゃな」
「ああ、やられたわ」
 インファンテは投げられて背中から床に落ちた、そこから上体を起こしてそうして井伏に対していった。
「今のはな」
「そうじゃのう」
「自分の負けや、一瞬でも隙見せたのがな」
 それがというのだ。
「自分の不覚やったわ」
「そう言うか」
「ああ。ただな」
「ただ?何じゃ」
「面白い一騎打ちやった」
 インファンテは身体を起こして話した。 
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