夢幻水滸伝
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第百六十八話 力の差その十一
「そうしたことはな」
「まさにですね」
「そうだ、わかっていないとだ」
「出来るものではありません」
「その通りだ、ではだ」
「それならですね」
「ここは戦い」
そしてというのだ。
「勝つことだ」
「左様ですね」
「持っている戦力をどう使うか」
吉川はその目を強く光らせて述べた。
「それが大事だ」
「はい、では」
「ここはな」
「今の戦力で戦っていきましょう」
「敵艦隊は乱れている」
吉川は自分が率いている艦隊戦をしつつ述べた。
「ならばだ」
「海戦ではですね」
「これより攻撃を仕掛ける」
こう話した。
「三列縦隊になりな」
「乱れている敵艦隊に攻撃を仕掛けますか」
「そうだ、あの戦術でいく」
その戦術もだ、吉川は話した。
「ネルソンタッチだ」
「トラファルガーのあの戦術ですね」
「敵が乱れている時にはな」
「あの戦術は効果がありますね」
「あの時のフランスとスペインの連合艦隊もそうだった」
戦意は低かった、その為イギリス海軍との戦闘を避けて逃げ回っていた。将兵の練度もかなり低かった。その為艦隊運動もままならず乱れていたのだ。
「それに対してだ」
「我々はですね」
「混乱していないならな」
「それならですね」
「ここでだ」
まさにというのだ。
「ネルソンタッチでだ」
「敵軍に大打撃を与え」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「海戦での決着をつける」
「わかりました、では」
「我々は采配を執りつつだ」
「術もですね」
「放ってだ」
そしてというのだ。
「敵艦隊を攻撃していくぞ」
「承知しました」
「ではこれより攻撃を仕掛ける」
ネルソンタッチよってと言ってだった。
吉川は艦隊を編成させてそうして攻撃を仕掛けんとした、芥川は空からその動きを見て笑みを浮かべて言った。
「それでええ」
「吉川さんの采配でやな」
「海のことはあいつに任せてるが」
提督である彼にというのだ。
「むしろ僕よりもな」
「やってくれてるか」
「ああ、そやからな」
「ご主人から言うことはないか」
「全くな」
そうだというのだ。
「ここは」
「そやねんな」
「海はあいつに任せて」
そしてというのだ。
「それで空はな」
「今は室生さんやな」
「あいつに任せる、そして僕等はな」
「陸での戦に専念するな」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
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