夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百六十七話 正攻法その一
第百六十七話 正攻法
日本の者達は朝起きるとすぐにだった。
用意されていた乾パンを口に入れた、中里はその乾パンを食いつつ自分の周りにいる兵達に話した。勿論彼等も乾パンを食べている。
「ええな、これからな」
「はい、飯を食った後はですね」
「すぐに具足を着けてですね」
「隊列を整えますね」
「そや、そしてな」
そのうえでというのだ。
「戦に入るで」
「わかりました」
「ほなですね」
「まずは飯を食うことですね」
「この乾パンを」
「とにかく食うんや」
今はというのだ。
「ええな」
「はい、ほなです」
「まずは飯食います」
「それもしっかりと」
「飯を食ってこそや」
まさにというのだ。
「戦は出来るんや」
「ほんまにそうですね」
「飯を食わんと何も出来ませんね」
「戦も」
「ほんまにそうですね」
「そや、それで食ってな」
そしてというのだ。
「ええな」
「はい、しっかり食います」
「それで食った後は具足着けて」
「それで隊列整えます」
「武器も持ちます」
「いよいよ最後や」
中里は食いつつきっとした顔になった、右手にある乾パンを口の中に入れていく動作は止まっていない。
「覇権を争う戦も」
「この戦で勝ったらですね」
「姫巫女様が太平洋と地下世界の棟梁ですね」
「そうなりますね」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「ここはな」
「勝ってですね」
「それで終わらせますね」
「そうしますね」
「最後の最後まで勝ち進むんや」
まさにというのだ。
「そやからええな」
「勝ちましょう」
「この戦も」
「そうしましょう」
「綾乃ちゃんこそな」
まさにというのだ。
「棟梁に相応しいな」
「ほんまにそうですね」
「あの方こそ棟梁に相応しいです」
「他の誰よりも」
「まさに将の将で一国の主の器や」
綾乃こそがというのだ。
「他にそうした人おらんな」
「ですね」
「それならばですね」
「統一して棟梁になってもらう」
「是非共」
「そや、綾乃ちゃんが棟梁になることがな」
まさにというのだ。
「太平洋と地下世界にとってや」
「一番ええ」
「そういうことですね」
「それでや、ほなな」
これからと言ってだ、そしてだった。
中里はまた乾パンを食べた、そして紅茶を飲んで言った。
「飯食ってな」
「これからですね」
「戦いますね」
「そうするで」
こう言ってだった。
中里は飯を食った後で具足を身に着け軍勢の隊列を整えさせた、そうして戦がはじまる時を待った。
既に朝日は昇っている、アレンカールはその朝日の中で言った。
「予想せんかったわ」
「おい、そう来るか」
ゴーディマーは前を見てアレンカールに言ってきた。
ページ上へ戻る