ヘタリア大帝国
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TURN47 東洋艦隊全滅その五
「ネルソン提督の艦隊にはな」
「それではそのうえで」
「全軍ビームによる攻撃を行なう」
エイリス軍全体に仕掛けるというのだ。
「いいな」
「わかりました。それでは」
こうしてだった。太平洋軍は全軍でビームを浴びせた。小魚は使えなかったがそれでもその攻撃を受けてだった。
エイリス軍はダメージを受けた。だがイギリスはここでこう言ったのだった。
「伊達にここまで俺達を破った訳じゃないな」
「そうですね。残念ですが」
クリオネもそのイギリスに応えて言う。
「敵は強いです」
「ビーム攻撃もかなり強いな」
「はい、今の攻撃で結構なダメージを受けました」
クリオネの率いる艦隊もダメージを受けていた。それjは無視できるものではなかった。
「ですがまだ」
「ああ、ネルソン提督がいるからな」
イギリスは全体の指揮を執る彼がいるヴィクトリーを見た。ヴィクトリーは毅然として銀河にいる様に見えた。
「あの艦隊にはな」
「ビームが通じません」
クリオネも全幅の信頼を寄せていた。
「セイレーンがいますが」
「あれな。けれどな」
「今は鉄鋼弾は使えません」
既に彼等もセイレーンが鉄鋼弾攻撃を行なうことはわかっていた。わかっていることはこのことだけだったが。
「ですから」
「安心していいな」
「今度こそ一矢報いることができます」
アラビアを守ることができる、そうだというのだ。
「そうできますね」
「日本は一度負けると終わりだからな」
そこから連合軍の反撃を受けてだというのだ。イギリスが今言うことはその通りで日本に後がないことは変わっていない。
「ここで負けるとな」
「ガメリカ、中帝国からの攻撃を受けて」
「降伏するしかないからな」
「我々の勝利になりますね」
日本にはとだ。クリオネも言う。
「インドは失いましたが」
「これからはこのアラビアとアフリカだけでやってくしかないか」
イギリスはこれからのことも考えていた。
「そうするしかないか」
「そうですね。ですが私は」
「アフリカは好きじゃないか」
「アジアが好きなんです」
クリオネの趣味だった。その辺りは。
「ですから」
「その辺り難しいな」
「特にインドが」
クリオネは未練があった。それはどうしようもなかった。
「インドで死にたかったです」
「けれどな」
「わかっています。インドはもう」
独立した。それではだった。
「どうしようもありません」
「そうだよ。太平洋経済圏に入ったさ」
インド洋の国だがアジアということで入ったのだ。太平洋経済圏の正式名称はアジア太平洋経済圏なのだ。
「俺達の手の届く範囲じゃなくなったぜ」
「残念です」
クリオネは唇を噛み締めて泣きそうな顔になった。
「この状況は」
「ああ、俺達が太平洋経済圏に入りたいって言ってもな」
「誰も賛成しませんね」
「あの連中がそんなこと賛成するかよ」
イギリスはガメリカと中帝国のことについて言及した。
「欧州の国だからな」
「それが理由ですね」
「絶好の口実だよ」
この場合理由と口実は同じ意味だった。
「うちが欧州にいるっていうのはな」
「そうですね。本当に」
「ああ、どうしようもねえ」
イギリスは忌々しげに言い続ける。
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