| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十一話 食べてもらってその三

「そうしてね」
「はい、気をつけます」
 こう言ってもでした。
 阿波野君が食べるのは速いです、それでまた私は言いました。
「やっぱり速いわね」
「そうですか」
「別に誰も取らないから」
 それでと阿波野君に言いました。
「落ち着いて食べてもいいのよ」
「いえ、別に急いでませんし」
「取られると思うこともなのね」
「思っていないですよ」
「その割に速いわね」
「これも癖性分でしょうか」
「そうなるの?食べることも」
 そう言われると私もわかりませんでした、癖性分と言ってもそれでもそれがどうかというとでした。
 私はわからなくてお母さんはこう言いました。
「それもそうかも知れないわね」
「そうですか」
「けれど千里が言う通りにね」
「僕食べるの速いですか」
「あまり速過ぎたら」
 食べることがというのです。
「あまりよくないから」
「消化に悪いんですよね」
「そう、だからね」
「気を付けて、ですね」
「しっかり噛んで食べてね」
「努力していきます」
「是非ね、それと千里はね」
 今度は私に言ってきました。
「牛乳にこだわらないの」
「そのこと?」
「今も毎日飲んでるわよね」
「ええ、美味しいし何よりも」
 私が牛乳を飲む一番の理由は何といってもです。
「背がね」
「大きくなるからっていうのね」
「だから飲んでるけれど」
「飲むことはいいけれどもう諦めなさい」
 こう私に言うのでした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧