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ヘタリア大帝国

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TURN47 東洋艦隊全滅その一

                    TURN47  東洋艦隊全滅
 ネルソンとイギリス、それにクリオネが率いるエイリス東洋艦隊はアラビアにおいて戦闘用意に入っていた。その準備はというと。
「これでいいな」
「はい、全て整いました」
 ネルソンがモニターからイギリスに話す。
「後は彼等を迎え撃つだけです」
「残ったのはこれだけか」
 イギリスは自軍の艦隊を見ながら言う。
「寂しくなったな」
「本国からの艦隊、正規軍は違いますが」
「植民地艦隊がな」
 現地で雇った彼等はどうかというと。
「殆ど全部逃げたからな」
「そしてその足で太平洋軍に加わっています」
「最初はこっちが圧倒的に有利だったんだがな」
 イギリスは苦々しい顔で述べた。
「それが今じゃこうだからな」
「アラビアだけになりました」
「ここで負けたらもうな」
「我がエイリスは東方におけるものを全て失ったことになります」
 彼等にとって甚だ不本意なことにだ。
「そうなります」
「インドは失ったがな」
 これがエイリスにとって最大の痛手である。
「それ以上にな」
「エイリスの誇りがかかっています」 
 アラビアでの戦いにだ。エイリスの意地、即ち誇りがかかっていたのだ。その為にネルソンはイギリスに言うのである。
「何としてもです」
「勝つか」
「そうしましょう」
 こう言ったのである。
「何としても」
「そうだな。それじゃあな」
「はい、それでは」
 こうした話をしたうえで彼等は布陣を整えていた。そこにはクリオネ、そしてゴローンの姿もあった。
 クリオネは隣にいるゴローンをやや不安そうな目で見てからこう言った。
「あのね。あんたね」
「何だ?」
「あんた自身も戦えるのよね」
「艦隊は指揮できないがな」
「じゃああの魔術で戦うの?」
「いや、ロボットがある」
 ゴローンは胸を張って言う。
「俺専用の巨大ロボットがな」
「あんたそっち方面のヲタクでもあるのね」
 キャラクターやコスプレだけではなかった。ゴローンはロボットヲタクでもあったのだ。
「色々趣味があるのね」
「俺はあくまでアニメやゲームだ」
「他には?」
「特撮も好きだ」
 右手を拳にして言い切る。
「そして俺が乗る巨大ロボットでだ」
「戦ってるのね」
「如何にも」
 その通りだというのだ。
「ただし実戦の経験はない」
「じゃあ駄目じゃない」
「駄目ではない。俺は実際にそのロボットを魔術で動かしてきた」
「魔術で動くロボットなの」
「如何にも。この戦いにも持って来てよかったか」
「別にいいわよ」
 クリオネはゴローンのその申し出は断った。それと共に断った理由もちゃんとゴローン自身に話したのだった。
「そっちは」
「何だ?俺の巨大ロボットを見たくないのか?」
「どうせ出て来て一撃で倒されるでしょ」
 クリオネは直感的にこう考えた。
「そうでしょ」
「むう、そう言うか」
「けれど事実でしょ」
「そんなことはない。俺のロボットは無敵だ」
「無敵でも何でも艦隊は正規の戦力よ」 
 ゴローンのそれとは違ってだというのだ。
「考えて開発、研究されてるから」
「俺のロボットに勝てるというのか?」
「その通りよ」
 まさにそうだというのだ。
「どう考えてもね」
「全く。言ってくれるな」
「これでも軍隊も率いていたから」
 東インド会社社長として東インド会社軍を率いていたことは伊達ではない。クリオネは一応そうしたことにも秀でているのだ。 
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