おぢばにおかえり
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十話 朝早くからその四十
「食べますよ、好きですし」
「今言った通りになのね」
「はい、お刺身とか天婦羅も好きで」
「お魚は大丈夫なのね」
「全部食べます、お野菜も果物も茸も」
「ピーマンとか人参も」
「好きですよ」
嫌いな人が多いこうしたものもというのです。
「好きですから」
「じゃあ本当に教会でも大丈夫ね」
「やっていけますか」
「食べもののことでもね」
「それは何よりです」
「バランスよく何でも食べたから」
ここで阿波野君を見ました、座っていても私よりずっと背が高いことがわかります、もっと言えば座高は足が長いせいか低いです。
「それだけ大きくなるのね」
「牛乳のせいでしょうか」
「牛乳毎日飲んでるのよね」
「一リットルは」
「私も飲んでるのにね」
小さいままです。
「全く、どうして大きくならないのよ」
「その分お顔やお肌にいってません?」
「お顔って」
「あと髪の毛とか健康にも」
そちらにもというのです。
「いってるんじゃないですか?」
「まさか」
本気で思いました。
「それはないですよ」
「そうでしょうか」
「そうよ、どうしてお顔と牛乳が関係あるのよ」
「美形になるんですよ」
「美形ってまたそんな」
子供の頃ブスとか言われています、本当に。
けれど阿波野君はまた私に言いました。
「先輩アイドルになれますよ」
「そんなことばかり言うんだから」
「本当にそうですから」
「だから何処がよ」
いつもの展開になりましたけれど私はまたお母さんに言われて台所でお料理のお手伝いに入りました、こちらではむしろ私がメインになってお母さんのアドバイスを受ける形になってお料理を作りました。
第六十話 完
2019・9・4
ページ上へ戻る